2年ぶりの代表戦へ。ジャパンメンバー、発表|藤井ナショナルディレクター 質疑応答

日本ラグビーフットボール協会は、4月12日、男子日本代表候補選手52名とチームスタッフを発表した。

メンバー、今後の活動予定、そして今回の選出にともなう藤井ナショナルディレクターの質疑応答については以下の通り。


スケジュール

5月 24 日:合宿メンバー発表(35名)

5月 26日~ 6月 8日:国内合宿 (大分県別府市)

6月 12 日:強化試合 (静岡県@エコパスタジアム)

6月 16 日~:スコットランド遠征

6月 26 日:ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ戦 (スコットランド・エディンバラ@BT Murrayfield )

 

※1 合宿メンバーは、今回発表した52名の中から選出される予定

※2 6月の強化試合はテストマッチではない。出入国隔離の必要がない対戦相手で調整中


藤井雄一郎 日本代表ナショナルチームディレクター 質疑応答

ラグビーワールドカップ2019が終わり、何度か合宿や代表戦を試みたが叶わなかった。今回は何としても代表活動をしなければならないと考えています。

今日発表した52名は、前回のワールドカップで戦った選手を中心に選出しました。RWC2023に向けた、最初の52名です。この中からプレーオフトーナメント後に35名を選んで合宿を行い、ブリティシュ・アイリッシュ・ライオンズに挑む予定です。

ーー35名への絞り込みについて
だいたい絞り込めてはいるが、怪我人などが出た場合、このメンバーから入れ替えるようなイメージ。

ーーどのような基準で選考したか
プレッシャーのある中で正確なプレーをできるか、というのが第一。

ーー外国人選手について
今回しっかりと記録を取り寄せて選考した。今回の選手は全員、滞在日数をクリアしている選手。(ディラン・ライリー選手のみ、10月に許可が出る見込み)。みんなコロナ禍でもすごく頑張って日本に残りました。

新型コロナの影響で帰国した選手たちについては、残念ながら考慮されなかった。そこが厳しかった。もちろんワールドラグビーに対してネゴシエーションを行っている最中ではあるが、中々厳しい反応をされている。

ーーRWC2019メンバーから外れた選手(堀江翔太選手、流大選手)について
外れたわけではなく、随時体調を見ながら声を掛けていきたいと考えている。強いプレッシャーの中で何年もラグビーをやってきたので、もしもう一度やるのであればメンタル的に一度リフレッシュしたい、というような主旨の申し出も踏まえての判断。



 ーー代表戦は2試合のみか
国内で試合をしたい、という所をギリギリまでチャレンジしたい。対戦相手のこともありハードルは高いが、ライオンズ戦が終わって帰ってきたら、と考えている。オプションBは、そのまま残って。帰国後の隔離2週間が非常にハードル高い。現在外国でプレーする松島幸太朗選手、姫野和樹選手については、大分での合宿には参加せず、ダイレクトに合流予定。

ーーコーチングスタッフについて
基本は前回RWCと同じメンバー。ストレングスコーチについては、違うメニューを取り入れたいという意味で変更した。元々ハイランダーズでやられていた方々。

ーー期待する若手選手について
全員期待しているから選ばれた。みんな頑張って欲しい。今回選ばれていなくても、前回同様今後の活躍次第で選ばれる可能性はある。

ーー秋のテストマッチシーズンに向けて
オリンピックの成功状況やワクチンなどもあるが、拘束期間を長くしてテストマッチを増やし強化する予定。8月から休みを挟んで10月には試合を、12月くらいまでを目標に。国内および海外でのテストマッチを希望。5・6試合くらいやりたいと思う。

ーー個別選手について
今季のトップリーグでそれほど出場時間が長くないアマナキ・レレイ・マフィ選手や齋藤直人選手は、実力もどういう選手かも分かってる。そういう基準で選んだ。

前田土芽選手は走力もあってプレッシャー下でも今季プレー出来ていた。テストマッチでプレーできるかどうかを見極める。

シオサイア・フィフィタ選手は大学選手権でもサンウルブズでも活躍した。走力があり体も大きい。学年が上がるごとに柔軟になってきた部分を代表でも出せるか、という所。

ーートップリーグで活躍しているが、今回選ばれなかった選手たち(山沢拓也選手、竹山晃暉選手、高橋汰地選手)について
トニー・ブラウンとジェイミーのやるラグビーにどれだけフィットするか、ということ。選ばれなかった、というより、ここにいるメンバーが選ばれた、というイメージ。

ーー強豪国が試合をしている中、1年以上代表活動が出来なかった
未知の状況。1試合でも2試合でもテストマッチをしている所が先に進んでいる。今回ライオンズと、願わくばもう1試合出来れば、(RWC2023に向けた)だいたいのスタート位置が分かると思う。

ーーU20など若手の代表活動が一切出来ていない現状について
理想は単独チームで武者修行に出したい所だが、代表でも活動出来ていない中、学生を集めるのは大変。どこかで日本代表を目指せる機会を見つけ出さないといけないと思います。

ジェイミー・ジョセフ日本代表 ヘッドコーチ コメント

最後のスコッド発表から長い時間が経ち、ずっと待っていましたが、これから始まるブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズへの挑戦にものすごく胸躍る気持ちです。史上初となるこの対戦は、チームにとって非常に特別な機会となるでしょう。

このスコッド発表が、私たちの準備の第一歩となります。2021 年のトップリーグでは、素晴らしいチームパフォーマンスがあちらこちらで見られ、チーム同士の争いはこれまで以上に接戦を極めていて、日本ラグビーの成長にとっては素晴らしいことだと思います。

ラグビーワールドカップ以降、代表から引退したプレーヤーもいれば、個人的な理由で代表選考の対象にならなくなったプレーヤーもいます。これによって、次の選手層にいるプレーヤー達には 、全力をぶつけて代表レベルでプレーできることを示すチャンスが与えられます。

今回のスコッドは、経験値のあるプレーヤーと今後代表でプレーしていくポテンシャルを持つプレーヤーのバランスがうまく取れています。これからの 2 年でチームの層を厚くしていく必要があり、今回のスコットランド遠征はそのスタート地点に過ぎません。

トップリーグも終盤に入り、ノックアウト式のプレッシャーの中で最高のラグビーを見せることができるのは誰なのかがわかるでしょう。 35 名の最終スコッドは、 5 月の決勝が終わってから発表したいと思います。

スポンサーリンク