ロビー・ディーンズ監督は言った。
「福岡選手と言えばどうしてもアタックが目立ちますが、ディフェンスでの貢献度も非常に大きい」と。
準決勝の対トヨタ戦。
11番で先発した福岡堅樹選手は、開始30秒でノーホイッスルトライを奪うと、後半29分・37分にもトライ。今季2回目となるハットトリックを決めた。
しかし、見どころはそれだけではなかった。
前半29分。
左サイドでのラックからボールを出したトヨタは、右に展開すると、一番大外にいた11番・ヘンリー ジェイミー選手にボールが渡る。
トイメンに控えしは福岡選手。
すると福岡選手、ヘンリー選手に絡むと、一旦離れて距離を取った。
間合いを読んで、再びの機を狙う。
そして鋭い視線を送ったコンマ数秒後、もう一度タックルに入った福岡選手は、ヘンリー選手をタッチに押し出した。
ディーンズ監督も舌を巻く、福岡選手のディフェンス力。
ブレイクダウンでの働きやインターセプトなど、その間合いの取り方は、日本ラグビー界でも唯一無二である。
それでも準決勝では、トイメンの14番・高橋汰地選手に2度、抜かれた。
1度はスクラムから、もう1度は自分自身のタックルミスから。
「トータルのパフォーマンスとしては満足いかない部分もあった。そこは決勝に向けて修正していかないといけないかな、と思います。」
いよいよ今週日曜日に行われる、トップリーグ決勝。
泣いても笑っても、これが福岡堅樹選手のプレーが見れる、最後のチャンスである。
「決勝まで残れたので、自分の中で出来る最大の試合数を行える。あとは思い残すことがないよう、全力で常に目の前に100%で。決勝も変わらず、100%で臨みたいと思います。」
会場で、テレビの前で応援されるファンの皆様には、トライやランはもちろんのこと、福岡選手の『ディフェンスの間合い』にぜひ注目して、最高の戦いを楽しんで欲しい。
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