「80分間みんなが笑顔で戦えたことが素晴らしかった」狼軍と、ニューメンバーが躍動した日本代表|リポビタンDチャレンジカップ 2021

1st Half

試合前日、サンウルブズのキャプテン、エドワード・カーク選手は言った。

「各自がやりたいスタイルでプレーして、みんながそれに合わせる。それがサンウルブズです。」

やりたいことに、チャレンジする。

その一つ目が、スタンドオフの山沢拓也選手が放った飛ばしパスだった。反応した11番・尾﨑晟也選手は内に返すと、13番のディラン・ライリー選手がキャッチし陣地を広げる。

躍動する、平均年齢25.3歳の若いバックス陣。


パントキックへのプレッシャーが冴えた野口竜司選手

フォワードも奮起した。

スクラムでコラプシングを奪えば、1番・森川由起乙選手と4番・長谷川崚太選手が力強くハイタッチを交わす。そしてベン・ガンター選手は、次々とフォワード陣を抱きしめた。

やりたいことに個々がチャレンジする。

その言葉の意味を、体現する。

一方の日本代表は、試合冒頭からキック処理で崩れ、ブレイクダウンでも精彩を欠いてしまう。

「ブレイクダウンが後手に回ってしまった。今日のような前半の入りをしてしまうと、テストマッチでは取り返しがつかなくなる。」

そう語ったのは、日本代表のフッカー・坂手淳史選手。

準備期間が圧倒的に短いサンウルブズを相手に、前半は思うような「ティア1のスタンダード」を出し切れない。

前半特に目立ったのは、山沢選手の10番としてのスキル。

相手チームがペナルティキックを選択すると、ガンターにライリー、カークに野口。そのあと逆サイドに行って、梶村・北川・尾崎。みなに意志を伝達して回る役目を担った。

即席チームだからこそ求められる、10番としての統制力。

スペースを突いた山沢選手のいくつかの連続したキックから、この試合最初のトライは生まれた。


前半35分にはドロップゴールを狙った

バックファイブと呼ばれる4番から8番までの選手たちの懸命な働きも、サンウルブズの屋台骨だった。

「この素晴らしいチームのジャージをもう一度着れることが嬉しかった。」

そう語ったNo.8のベン・ガンター選手は、ほぼ2019年のワールドカップメンバーである日本代表を相手に幾度もジャッカルを決め、テストマッチのインテンシティで戦えることを証明した。

キックでエリアを広げ、その先のブレイクダウンではフォワードが勝利し、しっかりとバックスでトライを取り切ったサンウルブズ。

前半を2トライ2ゴールとリードし折り返す。


2つ目のトライは竹山晃暉選手。アップをしていたリザーブメンバーも笑顔で駆け寄った

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