東京2020オリンピック|7人制ラグビー|プールB|フィジー 対 日本|7月26日(月)9:00キックオフ
いよいよ迎えた、東京2020オリンピック初戦。
キャプテンの松井千士選手は、しっかりと前を見据え、緊張よりも自信を感じさせる表情でピッチに立った。
9時00分ちょうどに笛が吹かれると、フィジーボールでキックオフ。
日本はキックオフボールが手につかず、フィジーにボールを奪われると12番が拾い上げ、最後は4番ワイニコロ選手に繋がってトライ。
欲しかった先制トライを、献上する。
続くフィジーのキックオフ。フィジーのノックオンで日本ボールのスクラムを獲得すると、大きく右に展開。しかし敵陣10m付近でパスが乱れた所をフィジーにキックを許し、自陣22mまで戻されてしまう。
だが日本の8番・松井キャプテンは諦めずに追いかけた。すると、フィジーがボールを拾いきれなかった所をしっかりと拾い上げ、そのままインゴールまで走り切った。
リオデジャネイロオリンピックで登録メンバーを逃した悔しさを胸に、5年間走り続けてきた快速ランナー。一度も振り返ることなくただ前だけを向き、およそ80mの全力疾走を見せた。
10番・藤田慶和選手のコンバージョンキックも決まって、開始2分半で7-7の同点に戻す。
しかし続くキックオフを確保できず、フィジー2番バレイワイリキ選手にノ―ホイッスルトライを許してしまった日本。
前半4分、7‐12と5点のビハインドを背負う。
独走トライの後の交代判断は早かった。
松井選手に代わり12番・本村直樹選手を投入すると、相手ボールスクラムで競り勝ちボールを獲得。およそ1分間、右サイドでフェーズを重ねながら攻撃を続け、最後は6番・彦坂匡克選手が縦に抜けた所を内でサポートに入っていた2番・トゥキリ ロテ選手に渡り、トライ。
藤田選手のコンバージョンキックも成功し、14-12と2点リードで前半を折り返した。
後半は鮮やかなノーホイッスルトライで幕を開ける。
10番・藤田選手が10mラインぎりぎりを狙ったドロップキックを蹴り上げると、走り込んだ5番・副島 亀里ララボウラティアナラがそのまま左の狭いサイドを走り抜きトライを奪う。
19-12、後半開始1分で日本が更にリードを広げる。
写真中央・副島選手:5月10日のトレーニングマッチにて
後半2分を過ぎると、6番・彦坂選手に代わって4番・羽野一志選手が登場。
フレッシュレッグが入ったものの、ハンドリングエラーや反則が重なり、後半3分20秒・4分40秒と立て続けに2トライ1ゴールを許してしまう。
19-24と勝ち越しを許した所で日本は再び、キャプテンの松井選手をピッチに戻す。
フィジーがキックオフサイドの反則を犯すと、日本はセンタースクラムを選択。スクラムアウトした所でフィジー5番・ツイヴアカ選手が堪らず手を出し、インテンショナルノックオンでイエローカード。残り30秒で、日本は数的有利を得た。
しかしそこでタップキックのリスタートを選ばず、タッチキックからのラインアウトを選択した日本。
この試合初めてのラインアウトは後ろに流れてしまい、フィジーにボールが渡るとインゴールノックオン。
そのまま東京オリンピック最初の14分間は終了した。
6月21日の合宿より
19-24と悔しい敗戦だが、得失点差・トライ数の差が重要なプール戦において、前回大会金メダリストを相手に最小のダメージで乗り切った意味は大きい。
16:30に控える英国との対戦を前に、体力・メンタルの回復が求められるが、良い表情でグラウンドを後にした日本。
次戦での初勝利を期待したい。
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