京都成章
キックオフボールを危なげなくキャッチした京都成章は試合開始1分、ディフェンスラインのギャップを突きながら前進すると、12番・藤原洋斗選手がノーホイッスルトライ。
鮮烈な出足を見せた。
12番・藤原選手は息の根を止めるタックルを見舞ったかと思えば、パスダミーから大きくゲイン。攻守に渡って大活躍した
ジャッカルを決めたら、ベンチから「喜べ喜べ!」
ペナルティを取られたら「我慢だよ!」
トライを取られた後には「成章、こっから!」「グラウンドゼロ!」
グラウンド上の選手たちとベンチとが一体となり、試合を作り上げる。
反撃ののろしを上げたのは、後半12分。
敵陣22mでのラインアウトから展開すると、後方からスピードをつけて走り込んできた10番・大島泰真キャプテンがDFラインを切り裂きそのままトライ。
「今日は自分の走りに自信があった」とは大島キャプテン。「僕が行くしかない」と思った、という。
「勝つためにはロースコアにするしかない。追いついて追いついて食いついて食いついて、気持ちでタックルに行ってタックルに行って、そこから自分たちのアタックに繋げていこう、と。それだけです。」
キャプテンの熱い気持ちが、チームを引っ張る。
何度も体を当てた。何度も止めた。何本も走った。
トライ数は同数。だけど追いつかなかった、6点差。
「花園に思い入れがあるわけじゃないですけど。花園で、全国大会で優勝したかった。それが3年間出来なかったことが悔しい。愛想の悪いキャプテンですけど、ここまでついてきてくれてありがとう、とまずは言いたいです。」
クールで熱い、ラグビー大好きな大島キャプテン率いる今年の成章が、終わりを告げた。