徹底したのはシンプルさ。早稲田が新人早明戦で「何年ぶりか分からない」程久しぶりの勝利。明治は「この試合があったから成長出来た」と思えるような試合に

試合後コメント

早稲田大学

大田尾竜彦監督

――本日の試合の評価について
セットプレー、スクラムを安定させてとにかくFWが頑張ってタックルして、バックスがミスなく繋ぐ。「勝つならこういう形じゃないと勝てないよね」というラグビーをしてくれました。すごく良かったんじゃないかな、と思います。

――この試合のテーマと遂行度合いは
とにかくブレイクダウンで戦ってこい、と言っていました。3列の3人(中島選手、田中選手、粟飯原選手)と(栗田)文介がヒットで勝っていましたし、良かったと思います。

――コロナ禍になって初めて大学のグラウンドで有観客開催出来ました
選手たちも見て頂いた方が励みになりますし、親御さんはじめ色んな方に支えられての部活動です。少しでも多くの方に見て頂きたいな、と思います。

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中島潤一郎ゲームキャプテン

――試合を振り返って
自分を含めたほとんどの選手が早稲田ラグビーに憧れて入部し、これまでの数か月間キツい練習をしてきました。それがこうやって、格上の相手に早稲田らしい形で勝てたことが良かったと思います。

――今日の試合のテーマは
接点でファイトし続けよう、と試合前に言っていました。もちろん相手の方が体重もあるし大きいし、ランスキルのある選手がいることも分かっていました。でもそこで引くのではなく、自分たちで逃げずに接点でファイトし続けよう、ということがテーマでした。

結果としてFWが接点の所でめちゃくちゃ頑張ってくれて。ゲインされた所もありましたけど、最後まで粘れましたし、例えトライをされたとしてもフェーズと時間を掛けさせてトライを取らせることが出来たので、そこはすごく良かったかなと思います。

――その接点でのファイトを体現した筆頭が中島キャプテンでした
いや、結構何にもしてないです、今日。ボールキャリーのミスもあったし、タックルもドミネートタックルが少なかった。まだまだこれから、スキルはこれからだと思います。

――チームとして、シンプルにやりたいことを遂行出来た理由を教えてください
新人練の期間は戦術的な練習はしなかったので、新人チームで一緒に練習したのはこの1週間だけです。その中で出来ることといったらやっぱり「シンプル」だとコーチの方々からも言われていました。

シンプルにボールを持ったら前に出る、走ってディフェンスする、ワンラインで前に上がり続ける、ということを意識していました。逆に難しいことを考えるのではなく、自分たちのやることが明確だったのかな、と思います。

――相手のゲームキャプテンは、3月まで同じチームでプレーしていた小椋選手でした
明治さんのSNSでゲームメンバーが発表されて、キャプテンだということが分かったので「キャプテン対決だね」と連絡しました。結構気まずかったんですけど(笑)でも負けたくないという気持ちがあったので、そこが一番、僕は嬉しかったですね。バチバチでした(笑)

――4年間のスタートが白星です
僕たちの代は、今日の試合で早稲田が目指しているラグビーを少しだけですけど分かったような気がします。でもまだまだ足りない部分も多かったですし、これが完成形ではないので、ここからどれだけ伸ばせるか、という方が大事になると思います。

フィードバックのミーティングでしっかりと振り返って、どこを伸ばしていかなければならないか、話し合っていきたいと思います。

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相良昌彦主将

――今日はウォーターとして近くで支えました
昨日ウォーターを志願しました。新人の子たちがグラウンド内でどういう話をしているのか気になったこと、そしてアドバイス出来ることがあれば声を掛けられればいいかな、と思って副将の吉村を誘いました。

でも何も言うことはなかったですね(笑)1年生がしっかりしていましたし、特にキャプテンの中島や粟飯原が本当にずっと声を出して、次に何をするかしっかり決めていました。自分たちで考えて方向性を固めることが出来ていたので、言うことはなかったです。

――自分たちの新人早明戦と比べて
そもそもの気持ちが全然違ったかな、と思います。勝つことに執着しているというか、貪欲に戦っていました。本当にみんな勝ちたいんだな、という気持ちが全面に出ていて、だからこそそれが前に出るディフェンス、押されないスクラム、に繋がっていたのかな、と思います。闘志が違いました。

――闘志を持った1年生がチームに入ってきてくれた
すごく嬉しいですね。僕たちAチームは春季大会で明治・東海と2連敗していて、チームが少し落ちこんでいるというか、ネガティブな週を過ごしていました。それを取っ払ってくれるような勝利で、みんなやる気が出ましたし、勇気をもらえました。

このままじゃダメなんだ、ということを1年生たちが分からせてくれましたし、「前に出るディフェンスとはこうやってやるんだ」という学びもありました。1年生、素晴らしかったです。

――どのような1年生たちでしょうか
本当にチームワークが良いです。突出した選手がいない分、みんなが助け合ってやろうという気持ちがあるのかもしれないですね。

今年は推薦で入学した選手がいません。AO入試や一般入試を受けて入ってきてくれた子たちばかり。浪人生も多いですし、プロップの山口もそうですが、桐蔭学園の優勝メンバーたちが浪人して早稲田に入ってきてくれた。そういう気持ちの強い子たちが多いのかな、と思います。羨ましいですし、負けてらんないな、と思いますよね。彼らが(Aチームに)上がってきて更にチームが良くなってくれれば良いですね。

本当に今難しい時期を過ごしていたので、勇気をもらったのと同時に『ほんとちゃんとやらないとな』と思わされました。

――良かった選手は
フォワードは全員良かったですね。その中でも浪人した粟飯原、そして中島、田中、栗田。本当に良かったですね。彼らのコンタクトが勢いづけてくれてたと思います。

――コロナ禍初めての大学グラウンドでの有観客でした
しっかり対策をすればこうやって出来ることが分かりました。観客の方々がいて、相良組という旗も立ててくれたりして。ファンの方のチカラは凄い、ということも感じましたし、ホームだからこそ応援が力になったなと、良いプレーへの拍手が選手たちを後押ししたんじゃないかな、と思います。

――自身の目標と夢を教えてください
チームを優勝させることが目標です。夢は・・・正直、来年以降のこと、リーグワンや日本代表のことは今は考えていません。今年、自分の代で自分がキャプテンとして荒ぶるを取ることが夢です。

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明治大学

神鳥裕之監督

――本日の試合の評価について
これが今の実力だと思って受け取るしかないですね。少し元気がなかったですね。このチームで準備をする時間も、このチームで行う練習量もあまりなかったので、そこは可哀想な所はあります。どこか上手く噛み合わなくて、それでどんどん元気がなくなっていく、そんな試合でした。

さっき試合が終わった後にも選手たちに話しましたが、この先、2年・3年・4年生になった時に『この試合があったから成長出来た』と思えるような試合にしないとダメなんだ、と伝えています。ただ悔しい、という思いで終わって来週から練習していても、何も変わらないよ、と。自分の中でのターニングポイントとなるようなゲームになって欲しいですよね。

――良かった所はどこでしょう
バックスで言うと山村和也、東は前半から良いプレーを見せてくれていました。フォワードでも既にAチームで出場している富田はそれなりに良い部分も見せてくれたので、ここからだなと思います。

――有観客で開催出来ました
観客の方に見てもらってするプレーというのは、全然違います。今日も早稲田さんの歓声の方が大きかったですが、そういう臨場感があるのとないのとでは出ているプレイヤーにとっても全然違うと思うので。そこは本当にこれから状況が良くなっていくことを祈るばかりです。今日はそういった意味でも良かったな、と思います。

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小椋健介ゲームキャプテン

――今日の試合のテーマを教えてください
自分たちのやってきたことを出そう、と考えていました。一人ひとりのボールキャリーで低くレッグドライブして、その後も早く立ち上がる。そういう基礎の部分を出そう、と話していました。

――遂行度合いは
出来なかったこともありますが、敗因はそもそも個人で負けていたことにあります。1対1で負けていたこと、それから気持ちの面で早稲田さんの方が上回っていたかな、というのがあります。そこで自分たちが押されて、結果的にこういうゲームになってしまいました。

ーー相手のキャプテンは桐蔭学園時代のキャプテン・中島選手でした
意識はしましたけど(笑)試合中は全然気にならなかったです。とにかく早稲田に勝ちたかったんですけど、でも負けてしまって悔しいです。

――初陣が黒星スタート
負けたのはしょうがないので、次に繋げないと意味がないと思います。まずはこの悔しさを忘れないとともに、なぜ負けたのかを明確にして次に繋げたいと思います。

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石田吉平主将

――試合を振り返って
ウォーミングアップの時から緊張しているように見えましたね。声も出てなかったですし、そういうのも経験なのかな、と初々しさが見えたかなと思います。

――これから一緒に戦う選手たちの初陣です
みんな能力はある選手たちです。今日とても悔しい思いをしたと思う。でもそういう悔しさがあるからこそ、頑張れると思います。早稲田さんいうライバル校とこれからも切磋琢磨していって欲しいと思いますし、こういう悔しさをしっかり覚えておいて、全員でレベルアップしていきたいですね。次は絶対に負けない、僕たちも一緒にやっていきたいなと思います。

――有観客でのゲームでした
お客さんが入ってくれると、選手としてもモチベーションが上がります。羨ましいですよね、僕たちも早く、と思います。やはり普通の会場だと客席と少し距離があるので、大学のグラウンドではより近くで見てもらうことが出来る。僕たちも早く、こういう試合でも人がたくさん入って見てもらえるようになれば良いな、と思いますし、それが僕たちの一番のモチベーションになるかな、と思います。

――主将として今年1年どういうチームを作っていきたいか
今日、1年生の試合を見ながらも「自分だったらこうするな」と考えていました。今日はどうしてもチームの雰囲気が暗くなってしまったので、まずは明るくしていきたいですよね。

たとえ負けていても「勝ち切るんだ」という意識を全員で持ったり、抜けられた後も全員で走って帰ったり。そういう「一歩でも前へ」という部分を今年の明治は目指しています。細かい所をしっかり徹底することが出来るチームにしたいなと思っています。

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