今季初めての対戦は、菅平で。8月12日(金)午前、そして14日(日)午後の2日間に渡って、東海大大阪仰星高校 対 東福岡高校の試合が行われた。
当初は14日だけの予定だったが、11日になって急遽のマッチメイク。異例となる、夏の菅平で2度の対戦が実現した。
12日の試合後、握手を交わす両チームキャプテン
第1戦・8月12日
12日に行われた第1戦は、東海大大阪仰星のトライで幕を開ける。
センターの増山将選手がグラウンド中央でボールを手にすると、そのまま走り切ってトライ。自らコンバージョンゴールも成功させ、7点を先制した。
一方の東福岡はラインアウトモールからフェーズを重ね同点に追いつくと、得意のDFから流れを生み出す。相手の攻撃にプレッシャーを掛けパスの軌道を逸らせると、SH高木城治選手がルーズボールを大きく蹴り込めばそのまま自ら走って追いつき、逆転のトライを決めた。
前半を7-14と東福岡のリードで折り返すと、後半最初のトライも東福岡。グラウンド横幅いっぱいにボールを運びながら、最後はウイング・馬田琳平選手が力強く走り切った。7-21とリードを広げる。
東海大大阪仰星の奮起はその直後。再び増山選手の縦への仕掛けから陣地を進めると、最後はセットプレーからテンポ良く1トライ返し7点差に。続くペナルティからラインアウトモールを選択すると、そのまま押し込み同点に戻した。
勢いに乗った東海大大阪仰星。ロングキックの蹴り合いに移行すると、DFを詰められた所FB穴澤開選手は蹴り上げることなく増山選手へボールを供給。みたび増山選手が縦に抜ければ、逆転のトライを奪った。
このままでは終われない東福岡は、ペナルティを得るとロングタッチキックから敵陣5m付近でのラインアウトを獲得。モールで前進を図り、最後はNo.8藤井達哉選手が押し込んだ。28-28、同点に戻す。
試合最終盤、東海大大阪仰星が敵陣22m付近でペナルティを得るが、PGを狙わずラインアウトを選択。トライを狙ったが、ここはボール繋がらずノーサイド。
28-28、決着は第2戦に持ち越された。
「仰星さんは1人1人が考えて動いていた。自分たちの弱い所を突かれた」とは、東福岡・大川虎拓郎キャプテン。「キックチェイスの場面で増山選手に抜かれていた。DFの甘さに課題を見つけることが出来た試合だった。」
第2戦・8月14日
そして迎えた、第2戦。
春から積み上げてきたことの完成度を知るための60分間が始まった。
キックオフの瞬間から接点で圧倒したのは東福岡。立て続けにブレイクダウンでペナルティを得ると、高木城治選手のPGで3点を重ねた。
危なげなく6点を奪った東福岡、続いてファーストトライ。FB石原幹士選手が縦に抜けた所、CTB吉良陸人選手がボールを繋ぎながら最後はSH高木選手からのオフロードを受け取った永井大成選手がグラウンディング。コンバージョンゴールも成功し、0-13。
続くキックオフからもDFでプレッシャーを掛けるは東福岡。CTB吉良選手のタックルでボールをこぼさせた所、飛び込んだのはFB石原選手。WTB上嶋友也選手が駆け上がりポイントを作ると、ここでもペナルティを獲得。3つ目のPGを成功させた。
東海大大阪仰星も黙ってはいない。
ペナルティを奪い返すと、ラインアウトモールでじりじりと前進。22m付近からの長い距離を進みながら、最後はモールサイドを突いたHO山本琉聖選手がトライ。
5-16、差を11点に縮める。
しかし、トライを取られた直後の東福岡の集中力は高かった。
FB石原選手がハイボールをキャッチすると、3番・茨木海斗選手らが陣地を前に進める。大川キャプテンから中川一星選手にボールが繋がり、最後は内側にサポートへ入っていた11番・上嶋選手がノーホイッスルトライを決めた。5-23、差を戻す。
前半ノータイムになると、ハーフウェイ付近ゴール中央でペナルティを得た東海大大阪仰星はPGを選択。増山選手が50m超のロングPGを沈め、8-23。
東福岡の15点リードで前半を折り返した。
後半の30分が始まると、ノーホイッスルトライを決めたのは東福岡。仰星がボールをこぼした所、両LOらがすぐさまプレッシャーを掛け捲れば、あっという間に開いてWTB上嶋選手がトライ。
ゴールも成功し8-30、リードを広げた。
一方の東海大大阪仰星は、中々ボールが外まで回り切らない。バックス陣も声を出しボールを要求したが、良い形でボールは繋がらない。
苦しい時間が続く、仰星。
それもそのはず、東福岡は交代のカードを切りながらも一貫したディフェンスで圧力を与え続ける。
東福岡の4トライ目は、セットピースから。
相手ボールラインアウトにプレッシャーを掛けノックオンを誘うと、そこで得たマイボールスクラムから展開し最後は4番・岡田薫瑠選手がトライ。
8-37、リードを広げた。
セットプレーで精彩を欠いた東海大大阪仰星は、最後まで流れを引き寄せることが出来なかった。
試合終了間際、東福岡がラインアウトモールからトライを決めればノーサイド。
8-42、自分たちのやりたいラグビーを貫いた東福岡が勝利を収めた。