「選ばれなかった選手とのジャージプレゼンテーション」で気合いを入れた東京と「最高の仲間になれた」神奈川が本大会出場へ|国体関東ブロック大会・少年男子2日目

10月に行われる第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」への出場権をかけ、8月26日から関東ブロック大会が始まった。

3年ぶりの開催となるラグビーフットボール競技・少年男子の模様をレポートする。

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試合概要

第77回国民体育大会関東ブロック大会 ラグビーフットボール競技 少年男子2日目

【日時】
2022年8月28日(日)

【場所】
江戸川陸上競技場

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第1試合 東京都×千葉県

東京都:青ジャージ、千葉県:黄ジャージ

流経大柏の選手を中心にメンバーを構成した千葉県代表。相対するは、ザ・コンバインドチームな東京都代表。

試合が動いたのは前半7分。マイボールスクラムでペナルティを得た千葉は、続くラインアウトでモールを組めば押し込んで2番・土井雄斗選手(流経大柏)がトライ。

ゴールも成功し、0-7。まずは千葉がスコアを動かした。

このままテンポ良く千葉がトライを重ねるかと思われたが、しかし接点で上回ったのは東京。

プレッシャーを掛けノックオンを誘うと、マイボールスクラムからのペナルティで更に陣地を広げれば、2番・本橋陽助選手(國學院久我山)がトライ。7-7、試合を振り出しに戻す。

分かっていても止められない、東京のエイタン。

東京ボールのスクラムでは、No.8イライシア・サーフ選手(目黒学院)が威力を発揮。千葉も同じくNo.8の小澤天キャプテン(流経大柏)がマッチアップするが、完全に止めきることは出来ない。

ボールを繋がれた先で思わずレイトチャージに走ってしまうと、東京は敵陣5mでのセットピースからFWを当て前半18分、8番サーフ選手がトライを取り切った。

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前半を14-7と東京の7点リードで折り返すと、後半最初のトライも東京。スクラムから右に展開し、FWを当てながら中央に戻すと最後は1番・道浦康介選手(國學院久我山)が押し込んでトライ。

15番・池本晴人選手のコンバージョンゴールも成功し、リードを14点に広げる。

圧巻はその8分後。ゴール前まで攻め込んだ東京は、ボールを後ろに放ると10番・袖山遼平選手(國學院久我山)がゴール正面からドロップゴールを蹴り込む。

見事成功し24-7。残り時間15分、2トライ2ゴールでは追いつけない点差に広げた。


1人で止まらなければ2人で。東京都代表は怯むことなく体を当てた

このままでは終われない千葉は、続くキックオフから一気に敵陣深くまで入る。テンポ良くトライを決め、攻撃の機会を増やしたい時間帯ではあるがしかし、立ちはだかる東京の壁。

セットプレーのやり直し、そしてFW戦での圧力から、ようやく1番・菊池優詩選手(流経大柏)が押し込んだ時には時計の針は後半20分を回っていた。

24-14、千葉が10点差まで縮める。

逆を言えば、10分かけて1トライを取らせた東京。

続くキックオフからも接点で上回れば、最後は東京No.8サーフ選手がダメ押しのトライを決めゲームセット。

31-14、東京が本大会出場権を獲得した。

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激しい接点の連続。決して負けない東京の出足と力強さは、千葉の重量級FW陣をも圧倒した。

「千葉さんと試合をする時には、接点が生命線だと伝えていました。そこで彼らがよく勇気を持ってやってくれたな、と。プライドを持って臨んでくれたことが非常に嬉しいです。」とは、戸田竜司監督(東京高校)。

6月と7月に2度ずつ、そして8月22日からは直前合宿を組み、仕上げて千葉との一戦に挑んだ。

東京都代表のテーマは『DRIVE』。

「9年前の東京国体時には優勝していますが、ここ数年は本国体に出場出来なかった。もう一度、オール東京として歴史を前に進めよう、という意味で『DRIVE』をテーマに掲げました。(戸田監督)」

もちろん、試合中の苦しい時にはドライブする、前に出る、という意味も込められている。

相手は、関東チャンピオンを多数擁する千葉県代表。勝てる自信があったのかと問えば、間髪入れずに「ありました」と返したのはSH酒井明人キャプテンとHO本橋陽助バイスキャプテンだった。ともに國學院久我山のチームメイトである。

「昨夜のジャージプレゼンテーションは、合宿を共にしたけれどもメンバーに選ばれなかった選手たちとオンラインで繋いだ中、行われました。そこでみんな『やるぞ』と気持ちを入れることが出来た。試合に登録された23人だけではなく、全員でDRIVE出来ました」と酒井キャプテンが言えば、本橋バイスキャプテンも「ちょっと泣きそうになって(笑)でもそれくらい、皆のことを引っ張っていかなきゃなと気合いが入りました。そのおかげで得られた、この結果です。」と振り返る。

準備の段階で、東京の気迫は上回っていたのだ。

チームが始動した当初は学校単位で行動することも多かったというが、S&Cコーチ発信のミニゲームで交流を深め、所属する学校に関係なく全員で一つになることが出来たオール東京。

来たるべき本国体に向けて。

「東京都は日本一しか見ていません。一つ目のゴールを今日突破したので、優勝を狙っていきます。(酒井キャプテン)」

「本国体でも爆発していきます。(本橋バイスキャプテン)」

関東代表として、東京都代表がとちぎ国体に挑む。

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