11月12日(土)、埼玉県・熊谷ラグビー場Aグラウンドで第102回全国高等学校ラグビーフットボール大会埼玉県予選・準決勝2試合が行われた。
3大会ぶりに人数制限なしの有観客となったこの日、多い時には約2,000名の観客が詰めかける。
多くの家族や友人、ラグビーファンらが見守る中、決勝のカードが決定した。
川越東(A3シード)×熊谷工業(A2シード)
先制トライは川越東。
ラインアウトモールを押し切り、8番・髙橋新大選手がグラウンディングした。
その後も攻撃は繋がり、FWが体を当てた後にバックス陣がフィニッシャーとなる。
14番・西ヶ谷昂バイスキャプテンの1本、11番・石本瑛選手の2本を含む計5トライをバックスが仕留め勝利。
川越東が2大会ぶりの決勝進出を果たした。
熊谷工業は前半14分にペナルティゴールで3点を返すと、前半終了間際にもゴール前でのペナルティからクイックスタートで1番・小林蓮選手が押し込む。
10点を奪ったが、差を縮めることはできなかった。
3番・篠崎優元キャプテンは「フィジカルで負け、2人目が遅くなったことが前半相手のペースになった要因」と話す。
「3年間、辛いことも悲しいこともいっぱいあった。3年生や先輩方、良い後輩に恵まれて楽しくラグビーができたこと、喜びを分かち合えたこと。充実した3年間でした。」
涙で、バトンを繋いだ。
昌平(A1シード)×浦和(B5シード)
キックオフの笛が鳴った直後から、体がぶつかり合う音が響く。
低く刺さるタックル。接点での攻防が続いた。
先制トライは昌平。
前半12分、マイボールスクラムを安定させ展開すると、4番・山内滉太選手が左隅に押し込んだ。
前半を5-0のロースコアで折り返すと、後半13分、またしてもマイボールスクラムからのサインプレーで13番・平岡勝凱選手がトライ。
リードを12点に広げる。
浦和も諦めることなく体を張った。
後半17分にはゴール前での長いフェーズを我慢しきった浦和が、念願のファーストトライ。
1番・小谷野元希選手が押し込み、5点を返した。
しかし逆転することは出来ず。
12-5で、昌平が決勝進出を決めた。
浦和は、多くのクラスメイトたちが応援に駆け付けた。
応援団が率いる合図に合わせ叩くメガホンが鳴り響き、選手たちを後押し。
後半17分に1番・小谷野元希選手がトライを奪うと、ウェーブが巻き起こった。
ゲームキャプテンを務めた2番・山﨑成海バイスキャプテンは試合後、観客席に向かって最後まで手を合わせた。
「たくさん応援に来てくれたのに、悔し泣きで申し訳ない気持ちだった。感謝の気持ちと、申し訳ないという気持ちで手を振った。」
多くの仲間の応援は、間違いなく浦和フィフティーンの力となった。
令和4年度の決勝カードが決まった。
3大会連続花園出場を狙う昌平か、2大会ぶりの花園へ春・秋制覇を目指す川越東か。
埼玉県王者は、どちらの手に。
決勝戦は、11月19日(土)に熊谷ラグビー場Aグラウンドで行われる。
【決勝戦】
12:35キックオフ 昌平×川越東