3-4位決定戦:本庄第一×深谷
本庄第一 24 – 14 深谷
本庄第一:紺ジャージ、深谷:青ジャージ
奇しくも北部地区予選・決勝カードの再戦となった3位決定戦。
僅か1ヵ月前に行われた試合では、深谷が22-14で本庄第一を下し、北部地区1位としてこの県大会に挑んでいた。
深谷の連勝なるか、それとも本庄第一がリベンジなるか。
注目の一戦、先制したのは本庄第一だった。
前半8分、ペナルティから左に展開し、13番・清水志撞選手がトライを決める。
一方の深谷は、前半19分にラインアウトからショートサイドを突いて2番・新井靖憲選手がトライ。
後半4分にも、3番・橋本皓輝選手がラックサイドを走り込んでボールを受けた2番・新井選手がトライを奪い、逆転に成功した。
14-7、互いの譲れないプライドが、一進一退の展開を生む。
スポンサーリンク
勝負を分けたのは、僅かな差だった。
本庄第一の、隙を逃さない集中力。そして、トライを取り切る瞬発力が、深谷を上回る。
深谷が自陣ゴール前でノックオンをすると、ゴール前でのマイボールスクラムからFW戦で3番・森田眞之介選手がトライ。後半8分で2点差まで迫ると、同15分にも再び森田選手がトライを決めれば、14-19と再逆転に成功した。
対する深谷の円陣からは、大きな声が飛ぶ。
「これで負けるの悔しいよ!」
気合いを入れ直し再びピッチに立った深谷フィフティーンは、自陣深くまで攻め込まれたものの、ブレイクダウンでペナルティを獲得。ボールを奪い返した。
勢いに乗り、そこからタッチキックに蹴り出しエリアを進めるかと思われたが、選手たちが選んだのはタップキックからのクイックスタート。深谷が信条とする「空いているスペースにボールを運ぶ」ための空いているスペースが、見えたのだ。
しかし、自陣深くでのボール回しは時に命取りとなる。
ブレイクダウンでターンオーバーされ、本庄第一の2番・澤田晃希選手がトライ。
後半23分、10点差をつけられた。
自陣インゴールで組んだ円陣。深谷のバイスキャプテン・飯塚祐真選手は、気持ちを込めて仲間に伝えた。
「本気出せよ」
何でもかんでも行けばいいと思うな。自分たちがクイックスタートを切ろうとしていた時には、相手のディフェンスラインが揃ってんだ。
何を、どのように判断すべきか。その全てが「本気出せよ」に込められた。
深谷はノーサイドの瞬間まで反撃を試みたものの、惜しくも追加点ならずノーサイド。
ペナルティ数は、深谷が7。本庄第一が12。
だが、ミスと一瞬のチャンス、ここぞというタイミングでの集中力が上回った本庄第一が、新井昭夫監督体制史上最高位となる新人戦3位の座を手にし、北部地区予選でのリベンジを果たした。
深谷・山田久郎監督は言う。
試合の度に見つかった課題を修正して、次戦に挑めたこの新人戦。成功体験を積み重ね、体を張れる選手たちだと分かったことが収穫だった、と。
「もう一回、同じ失敗を繰り返さなければいいんです。下を向いている時間はない、もうやるしかない。」
関東大会予選では、5位の浦和高校と同じ山組みに入る。