帝京大学
入学して僅か1か月弱。
大学ラグビーデビューを飾ったのが、この春高校を卒業したばかりの青栁潤之介選手(WTB、國學院栃木高校出身)と森山飛翔選手(プロップ、京都成章高校出身)だ。
いち早くピッチに立ったのは、WTB青栁選手。自身は後半遅い時間帯の出場を想定していたというが、ロッカールームで「後半一発目から行くぞ」と肩を叩かれ、後半スタートとともに登場した。
ボールに触るチャンスは限られたが、ボールを持たない時にこそ周りと連携を取り、何度も会話を繰り返す。
マイボールスクラムでは真後ろに立ち、相手の脅威となる姿も見せた。
「ブラインドサイドでボールを呼べて、しっかりとトライできた。それは良かったかなと思います。」
後半43分に決めた、大学ラグビー初トライ。ボールを持てば行ける、という自信はある。だが一方で、ボールを持つまでのオフザボールの動きが足りない、とも感じた初戦。
「そこを練習で補っていきたい」と先を見据えた。
高校時代は3番とNo.8を務めた森山飛翔選手。この日は3人目のタイトヘッドプロップとして、後半35分に登場した。
「ジャージを着れたことを一番誇りに思っています。嬉しいです」。素直に喜んだ。
早速スクラムを組むと、相手ボールをターンオーバー。そのままNo.8延原秀飛選手がスクラムサイドに飛び込み、この日13個目となるトライを奪った。
「帝京の強みは、スクラムで圧倒してペナルティを取ること。そういうチームに入ったからには、3番でやる以上、まずはスクラムを強くしないとメンバーに入れないと思います。」
赤ジャージを着させてもらっているプライドをもってスクラムを組まなければいけない。だから、もっと強く。
好むボールキャリーよりも、まずはスクラムを。3番としての覚悟を誓った。
スクラムでターンオーバーすると、先輩たちが笑顔で駆け寄ってくれた
東洋大学
初めて迎える、春季大会Aグループ。
「難しいですね」と話したのは、タニエラ・ヴェア キャプテン。
自身は慣れ親しんだFW第3列を離れ、フッカーにコンバート。将来を見据えた選択には、監督からのアドバイスもあったのだという。
この日、チームが獲得したポジティブな点は、トライを取れたこと。諦めずに最後までやりきれたこと。
「日本一のチームと対戦できたことが嬉しい。自分たちの課題もたくさん出たので、それをどう活かすかです。」
次の試合に向けてこの経験をどう活かすのか、短いサイクルで高レベルのPDCAを回す初めてのシーズンに突入した。
今季、東洋大学が定めたスローガンは『Mother(マザー)』。
この世に生を受けるまで、お母さんのお腹の中にいる期間は10月10日。自分たちが1年間でラグビーできるのも、だいたい同じくらいの月日である。
生まれた後も愛情を注いでくれる、そんなお母さんに恩返しできるように。
母なる大地を踏みしめ、空高く、大きく羽ばたくための春を過ごす。
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