U20日本代表候補、ワールドラグビー パシフィック・チャレンジ2023に向けた最後のセレクション合宿を終える

6月末から行われるワールドラグビーU20チャンピオンシップに向け、セレクションが進むU20日本代表。

4月17日~20日には、第5回目の候補合宿を東京・千葉で実施した。

5月上旬にはサモアで行われるワールドラグビー パシフィック・チャレンジ2023にジュニア・ジャパンとして出場し、実戦経験を積んだ後に再度の合宿とメンバー選考を経て、2023年度のU20日本代表が決定する。

Pick Up Players

U20日本代表候補選手の中から数名をピックアップし、合宿時の様子をお伝えします。

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楢本幹志朗(SO/FB)

2月上旬に行われた第1回目のU20日本代表セレクション合宿。そこで、楢本幹志朗選手に一つの課題が与えられた。

「フルバックに挑戦してほしい。」

スタンドオフができることはもちろん分かっているが、フルバックとしても見てみたい。だからチャレンジしてほしい。

そうBKコーチから声が掛かると、初めて本格的にフルバックへ挑戦した。

するとそのプレーが評価され、U20では主に15番を務めるようになる。

第5回目の合宿中に行われた実戦形式の練習でも、担当はフルバック。SO大町佳生選手からボールを受け、ワンパスで内に走り込んだウイングへボールを渡す、スピード感あふれるプレーを見せた。

筑波大学ではスタンドオフ。高校でも10番・12番での出場だったため、実践でのFB経験は、昨年行った高校日本代表候補としてのエキシビジョンマッチのみ。

「自分が10番をやっている時に『もうちょっとこうしてほしい』と思っていたことを体現しています。スタンドオフの大町佳生や大島泰真とも、どういう動きが彼らにとって有難いか細かくコミュニケーションを取れていて。意思疎通がかなり取れてきたかな、と感じています。」

もちろん、10番に対する思い入れはある。だが「日本代表としてプレーできるのならば、どこであろうとも幸せ」と口にする。

「15番として面白いチャレンジをさせてもらえて有難い。自分の幅を広げられる貴重なチャンスだと捉えています。」

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時任凜空(CTB )

「高校ジャパンだった選手もたくさんいる中で、初めて桜のジャージを着て練習することは責任も出てきますし、自分の中でのプライドも高くなってきたように感じます。プレーの精度が上がってきました。」

鹿児島県・霧島市で生まれ育ち、小学1年生の時に霧島ラグビースクールでラグビーを始めた時任凜空(ときとう りく)選手は、初めて年代別の日本代表候補として過ごす日々を送っている。

加治木工業高校出身。1代下の学年は44年ぶりの花園出場を決めたが、コロナ禍も相まり自身はなかなか県外でラグビーをすることもなかった。

転機は、大学1年次の大学選手権。

関東圏の大学からも声が掛かったというが、高校の監督から「九州で試合に出られる所に」とのアドバイスを受け進学した福岡工業大学で、1年生にして先発を勝ち取る。

大学選手権でも1回戦からフル出場。3回戦・同志社大学戦では、鮮烈なインパクトを残した。

「1年生で大学選手権にも出られて、全国の場でプレーできたからこそ今に繋がっているのだと思っています。高校の監督には感謝しかないです。」

大学選手権に出たことで、自分のプレーが全国でも通用することを知った。しかしこのU20日本代表候補合宿では、スキルが足りないと痛感したという。

「自分の考えていることがみんなと違った。高校で全国を経験している選手たちや、関東の強い大学が揃う環境でプレーしている選手なたちだけあるな、と感じました。」

将来はリーグワンでプレーしたい。そのためにも成長を、と誓った。


ボールを持って走り込む赤12番が時任選手

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矢崎由高(FB)

3月末に高校日本代表としてアイルランドへ。それから僅か半月後、矢崎由高選手はステージを一つ上げ、U20日本代表候補の舞台へと飛び込んだ。

そのスキルを疑う者は誰もいない。だが、大学ラグビーのスピードは想像をはるかに上回っていた。

「実際に合宿に参加したら、高校よりもレベルが高かった。自分でも、今でもびっくりしています。一学年変わるだけでこんなに変わるんだな、とすごく感じています。」

穏やかな表情で、だが悔しさも漏れ伝わった。

この日は左ウイングで実戦形式の練習に参加した矢崎選手。

「ディシジョンのスピード感も、パススピードも違う。『通用した』というよりも『ついていけた』という部分は、ランやキャッチ・パス。でもあくまで通用している、ではなくて、ついていけているという感覚です。」

5度目のU20日本代表候補合宿で、初の参加。

これまでの4回を必死にキャッチアップしようと、コーチ陣の説明でも一人身振りを交えながら習得する姿が見えた。

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ハリー・ウィラード(BR)

イングランドの大学に通うハリー・ウィラード(Harry Willard)選手は母が日本人。現在クボタスピアーズ船橋・東京ベイに練習生として参加おり、日本代表資格を有していることから今合宿への飛び入り参加が決まった。

「言葉が通じない選手たちとプレーする経験がこれまでなかったので、珍しい経験でした。チャレンジが楽しかったですし、チャンスがあれば日本代表としてワールドカップで戦いたいと思っています。」

身長192㎝、体重106㎏のフランカー。実戦形式の練習では、アグレッシブな姿勢をいくつも見せた。

「横にいる選手たちとは言葉は通じませんでしたが、ラグビーはラグビー。どんなチームであれ、ラグビーは変わりません。(練習中はNo.8の林慶音選手とよく会話していましたが)はい、ケイトはトモダチです!ラグビーなので、1日で友だちになれます。」


練習後のペアマッサージ相手も林選手。「インタビューでケイトのことを聞かれたから、友だちって言ったよ」と笑顔で報告した

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ヘッドコーチ評

ロブ・ペニー HC

「U20のチームとは、若い選手たちがこれから成熟していく時期です。技術的な部分でも、戦術的な部分でも、選手たちには良い変化がチームとして見られています。成長が見れ取れることは、コーチとして楽しくもあります。

サモアで行われるワールドラグビー パシフィック・チャレンジ2023は、U23の大会です。そこにU20で挑むということは、かなりタフな戦いを強いられることになると思いますが、南アフリカ遠征に向け選手たちにとってはとても良い経験になると思います。

日本には才能揃った選手たちがいます。スマートにマネジメントをし、相手のフィジカルをどれだけ出させないか、ということができれば、ワールドラグビーU20チャンピオンシップに向けての良いステップとなるでしょう。」

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