層を厚くした川越東、川越に完封勝利｜第71回関東高等学校ラグビーフットボール大会 埼玉県予選・準々決勝

2回戦では試合導入部が課題だった川越東。準々決勝は、キックオフから自分たちのラグビーを徹底した。

まずはスクラムでペナルティを得ると、ラインアウトからモールを組む。崩れるとFWが縦に当たり、段々と中央に寄りながら何人も前に進んだ。

最後に押し込んだのは、6番・高尾将太キャプテン。12番・五十嵐舜吾選手のコンバージョンゴールも成功し、7点を先制した。

対する川越も続くキックオフからゴール前まで一気に攻め込んだが、川越東のディフェンスを前に取り切れない。

ブレイクダウンでターンオーバーを許してしまう。

するとターンオーバーした瞬間、川越東のベンチからは一斉に「左裏！」と大きな声が飛んだ。

空いているスペースを、16人目の目となり伝える。

言葉どおり蹴り込むかと思いきや、しかしピッチ上にいる選手たちはボールを外に振った。左サイドでラインブレイクしたのは15番・南雲優佑選手。そのままおよそ90mを走り切り、2トライ目を奪った。

川越東はこの日、2回戦とは異なるオプションを試した。寺山公太キャプテンを1番に、超ユーティリティFWの渡部開選手を3番に。No.8には、1番だった柴田陽選手を当て込んだ。

「（渡部）開は『どこでもやります！』という選手。彼がいるだけで色んなメンバー編成ができる。とても助かっています」と望月雅之監督も目を細める。

3番・渡部選手はトライも決めた

主力選手たちを下げ、チームの底上げを狙った後半はトライこそ2つにとどまったものの、ディフェンスでしっかりと川越東を体現。

セットプレーも、ブレイクダウンでも、ディフェンス力でも、一つひとつが上回った川越東が完勝。

56－0で完封勝ちし、関東大会出場を決めた。

一方敗れた川越、新人戦以降はブレイクダウンに注力してきたというが、それでも「川越東さんがすごかった」と舌を巻く。

「スクラムとラックサイドのディフェンスは新人戦の頃よりも伸びたと感じることができました。だけど接点で押されてしまったので、まだまだ課題です。（後藤晃太キャプテン）」

伸び行く夏に向け、「練習からこの強度を意識をして、ダラダラせずに取り組んでいきたい」と意気込んだ。