試合概要
第12回関東大学春季交流大会Aグループ 第10週
【対戦カード】
帝京大学×早稲田大学
【日時】
2023年6月25日(日)13:30キックオフ
【場所】
熊谷ラグビー場Aグラウンド
試合結果
帝京大学 60 – 21 早稲田大学
終始、帝京大学が圧倒した。
前半8分、2番・江良颯キャプテンがFW戦から押し込んだトライを皮切りに、前半5トライ。
当たり前のように接点、フィジカルで圧倒し、主導権を得た。
一方早稲田は、後半最初のトライを奪う。11番・杉野駿太選手がインターセプトすると、およそ70mの独走トライを決めた。
トライ後一度は立ち上がったが、ガクッと膝をついた杉野選手。独走トライではあったものの、帝京陣の追走に一切スピードを緩めることなく走り切った
その後早稲田は2トライを追加したが、前後半で合計10トライを決めた帝京のスコアには届かず。
帝京大学が春季大会無敗でAグループ優勝を果たした。
帝京大学
昨季の大学選手権決勝カード。
衝撃的な強さを見せた一戦から、6か月。
帝京大学は、またしても早稲田大学を圧倒した。
強さの理由は、試合を見ればわかる。
誰しもが、グラウンド上の選手たちを見て「強い」と感じる80分間。
だが、帝京大学の真の強さはそれだけではなかった。
春季大会Aグループ優勝を飾った直後の記者会見でのこと。
相馬朋和監督、江良颯キャプテン、SO井上陽公選手の順で会見場に現れると、用意された椅子に腰を掛けることなく、その脇に立った。
全員が足を揃えたタイミングで、相馬監督が「よろしくお願いします」と声を発せば、3人が同時に頭を下げる。
王者、礼を尽くす。
それだけで伝わるものがあった。
その理由を垣間見ることができたのは、江良キャプテンのある言葉だった。
どうしたらもっとチームになれるか、という記者からの質問に対し、答えたのは「当たり前のことを当たり前にする」ということ。
誰かがしてくれるだろう、ということを自分がやる。
彼はこう思っているだろう、ということでも一つのコミュニケーションを挟む。
そういった細かい「当たり前」を積み重ねられれば、成功に導かれるのではないか、と考えているのだという。
冒頭で見せたこの挨拶も、おそらく「当たり前のこと」として行ったのではないかと推測される。
もう一つ、江良キャプテンの言葉を紹介したい。
「試合をご覧になられた皆さんは、強い帝京を感じているのではと思います。ですが、僕たちとしては本当にまだまだ。」
接点、フィジカルで圧倒はした。
だが「それどまり」。
自分たちの強みを出し切った後、最後まで繋ぎきる所までは至らなかった、と一切の表情を緩めなかった。
むしろ、悔しさの滲みすらをも感じさせた。
「自分たちの強みを出しただけで、『まだチームになりきれていないなぁ』って。個人のスキルや強さでこのチームは成り立っているのかな、と感じています。」
ひとつのチームとして同じ絵をみること、規律正しくディティールにこだわること。
個人の強みだけでなく、チームとして戦わなければ、目指すラグビーにはたどり着かないと考える。
「それどまり」と感じられる強さ、言える強さ。
間違いなく、今年の帝京も強く在り続けるであろうことを予感させる一言だった。
そんな江良キャプテンの言葉を聞いた相馬監督は、改めて帝京大学ラグビー部は「彼らの努力の上に立っている」と説いた。
「帝京の学生たちは、本当によく練習をします。自分たちで足りないことを更に補って、更に成長しようと毎日過ごしています。そんな学生たちを、多くのスタッフの皆さんが回りでサポートしています。」
強き帝京。
果たして今冬、どれだけソリッドな姿になるだろうか。
試合後コメント
相馬朋和監督
熊谷のラグビーの街で、素晴らしい環境の下、ラグビーをすることができ感謝申し上げます。
ラグビーをするには少し暑い環境で、選手たちはかなりハードなプレーを強いられたと思いますが、すごく良いゲームをしてくれたと思います。
ただ、後半のスコアだけを見ると接戦。
夏合宿に向けて、チーム一丸となってより強いチームを目指して参りたいと思います。
江良颯キャプテン
今日の試合を振り返ると、接点、フィジカルの部分で圧倒する、ドミネートすることは多かったです。
ですが、「それどまり」というイメージでいます。
自分たちの強みを出し切った後、最後まで繋ぎきれる所までは至らなかったな、と。
自分たちの強みを出しただけで、「まだチームになりきれていないなぁ」って。個人のスキルや強さでこのチームは成り立っているのかな、と感じていて。
これからの夏合宿、秋・冬に向けて、チームとしての繋がり、140人近い部員でチームとして戦えるように頑張っていきたいと思います。
SO井上陽公選手
自分たちの強みを出せた試合にはなったと思うが、フィニッシュの部分で課題が残る試合になったと思います。
自分は昨年、素晴らしいコントロールをされていた高本幹也選手を一番近くで見ていました。
(高本選手に比べて)まだまだ劣っていると感じる部分があるので、チームをまとめられるようにスタンドオフとしてチームを引っ張り、チームの勝利により貢献できるようなプレーを目指して。
春に見つかった課題・経験を活かし、夏合宿に向かって頑張っていきたいと思います。
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