A1シード:川越東
監督:望月雅之
主将:高尾将太(3年、FL)
今季、トップ8の主将陣の中で最も成長を見せたのが高尾選手だろう。
試合直後に状況を整理し言葉にする、そのスキルは月日を重ねるごとに確からしさを増した。オール埼玉のキャプテンにも任命された所以と心得る。
全国選抜大会、そして7人制大会と2つの全国大会で続けて強豪・東福岡と対戦。
選抜では奪えなかったトライを、7人制では2つ、手にした。
「東福岡さんとは、花園の3回戦でまた当たりたい。」
年を越し、1月1日に再び対戦するためにも。必ず、花園への出場権を掴み獲る。
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主将:寺山公太(3年、PR)
今季ダブルキャプテン制を初めて採用した川越東。陰と陽、静と動の如く互いに補い合いながらここまで歩んできた。
昨年、花園予選決勝で敗れると誓った言葉がある。
「先輩たちが叶えたかった夢を、自分たちの代で叶えることが自分たちの一番の目標。」
大好きな先輩たちから託された「来年頼むよ」の言葉。決勝戦後、一人仲間から離れ座り込んだ姿を忘れることはない。
現在の体重は110㎏。食育を取り入れた今季、めきめきと体の厚みを増した。
全ては、先輩に誓った花園行きを現実のものにするため。
高校2年次からオール埼玉に選ばれており、実力は折り紙付き。あとはそれを、しかと公式戦の舞台で発揮するのみだ。
今年の軌跡
昨季の花園予選決勝が終わった直後、残る1・2年生たちに望月雅之監督が話した言葉がある。
「来年は全部のタイトルを獲って、ぶっちぎって優勝するぞ。」
2度目の花園行きを掴み取るために、埼玉で不動の1位になる。その覚悟を持って、新チームはスタートした。
宣言通り、今季は埼玉県内負けなし。
新人戦、関東大会予選、7人制大会と、全ての埼玉県大会で頂点にたどり着いている。
全国選抜大会、全国7人制大会と2つの全国大会に埼玉県代表として出場すると、そのどちらの大会でも戦った相手が、昨年度の花園王者・東福岡だった。ヒガシ、と名のつく私立男子校の胸を借りた。
「選抜大会の時は、大雨でグラウンドもぐちゃぐちゃ。東福岡さんは基本ハイパントでボールを動かしてきました。だからコンタクトの部分、特にヒットとタックルの感触がいまいち分かっていなかったんですけど、セブンズではがっつり戦うことができた。もう、全然。全部負けていました。(高尾キャプテン)」
全国大会で、歯が立たない悔しさを味わった。
花園予選開会式を前に、SH髙橋淳良選手は言った。「熱くてクールな試合を見せたい。」
川越東らしく、ワイドに。キックを織り交ぜた立体的なアタックで、強いバックスが仕留める。
これまで手にした3つのトロフィーは、そう。残された1冠を掴み取るための序章にすぎない。
「命を懸けて戦います。(髙橋選手)」
第100回大会以来の花園出場、そして同校史上初の『埼玉4冠』を手にするための戦いが始まる。
注目プレイヤー
渡部開(3年、FW)
マルチプレイヤーが揃う川越東。1人が複数ポジションを務められることが最大の特徴である。
その最たる例が、渡部開選手。ロックを主戦場に、第1列。FWであればどこでもこなせる、超ユーティリティープレイヤーだ。
五十嵐舜悟(3年、SO)
冬まではセンター。スタンドオフだった田中大耀選手の負傷に伴い、全国選抜大会からコンバートすると、そのままスタンドオフに定着した。
五十嵐選手の右足から繰り出されるキックで、グラウンドでの広いアタックは始まる。
セブンズではキャプテンを務め、東福岡からトライも奪った。今季リーダー陣のうちの1人。
稲葉逸生(3年、CTB)
今季の川越東を象徴する選手の1人が稲葉選手。攻守の核としてゲームを締める。
セブンズではチャンスメイクに徹したが、きっと花園予選では取り切るシーンも生まれることだろう。
石本瑛(3年、WTB)
1年次に出場した花園予選。ウイングとして、類い稀な素質を見せた。
2年生の花園予選決勝では、試合終了間際に石本選手のランで意地の1トライを返す。
そして、最上級生となった今年。怪我に悩まされながらも、少しずつ自信を取り戻してきた。オール埼玉では、相手が誰であろうとも本来のプレーを発揮する心構えを学んだ。
ラグビーがやりたくて川越東に入学した、ラグビー歴僅か2年強のスーパーエースが、チームを花園に導く。
今季の主な試合結果
◆新人戦
優勝
川越東、2年連続の新人戦制覇も「まだ土俵に立っただけ」|令和4年度 埼玉県高等学校ラグビーフットボール新人大会 決勝・順位戦│&rugby (andrugby.com)
◆関東新人大会
1回戦敗退
昌平、東海大相模、目黒学院ら8校が準々決勝進出|令和4年度 関東高等学校ラグビーフットボール新人大会 1回戦│&rugby (andrugby.com)
◆全国選抜大会
1回戦敗退(川越東 0-43 東福岡)、コンソレーション勝利(川越東 12-10 秋田工業)
◆関東大会埼玉県予選
優勝
川越東がDF力と攻守の切り替えで昌平を圧倒し、今季2冠目。「絶対に妥協しない」決意を示す|第71回関東高等学校ラグビーフットボール大会 埼玉県予選決勝│&rugby (andrugby.com)
◆関東大会
Bグループ3位
「花園では、もうこんな思いをしたくない。」川越東、夏の始まりに誓う|第71回関東高等学校ラグビーフットボール大会│&rugby (andrugby.com)
◆7人制大会埼玉県予選
優勝
川越東、セブンズ初優勝。埼玉4冠まで「あとひとつ」|第10回全国高校ラグビー7人制大会 埼玉県予選│&rugby (andrugby.com)
◆7人制大会
プレートトーナメント7位
予選プール(①川越東 22-19 城東、②川越東 21-35 関西学院)
プレートトーナメント(①川越東 33-14 富山第一、②川越東 12-42 東福岡、③川越東 14-47 明和県央)