試合概要
第103回全国高等学校ラグビーフットボール大会埼玉県予選 2回戦
【対戦カード】
鷲宮高校×熊谷工業高校
【日時】
2023年9月24日(日)10:30キックオフ
【場所】
熊谷工業高校グラウンド
試合内容
鷲宮高校 0 – 80 熊谷工業高校
春はトライまでの道筋を描くことに苦労した熊谷工業が、集大成となる花園予選の初戦、トライを量産した。
両ウイングが重ねたトライは合計8つ。
2年生の左ウイング・田島大輝選手が前半3分にファーストトライを決めると、この試合最多となる5トライを走り切った。
1年生の右ウイング・冨田将生選手は3トライ。外からボールを呼び、スペースに走り込んだ。
FWもモールトライを決めるなど、多彩なアタックの形を見せた熊谷工業。
12トライを奪い、3回戦へと進出した。
最後のノーサイド ~鷲宮
試合を終えると、小さな円陣を作った真ん中で、鷲宮のキャプテン・藤田幸希選手は言葉を絞り出した。
「こんな結果に終わって一番悔しいのは俺なんだよ、きっと。」
1年生の頃は単独出場叶わず、合同チーム。それでも両親の反対を押し切り、藤田キャプテンはラグビーを始めた。
「こんなにスポーツに本気になったのは初めて。高校3年間、ラグビーやって本当に楽しかったです。」
僅か3人の3年生が築き上げた、今年の鷲宮高校ラグビー部を「楽しかった」の感情とともに幕を下ろした。
「後輩たちには、監督が手放したくないと思えるぐらいの選手になって欲しいなと思います。」
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この夏、U17日本代表として桜のエンブレムを胸に戦ったのはNo.8小菅隼輝選手(2年生)。チームに戻った今秋、自身の成長を感じた。
「パスが上達した。それから、周りがちゃんと見えるようになったと思います。」
この日も、ボールを持てば前に出て、タックルで仕留める。そしてラインアウトではあえてジャンパーとして飛ばずに、ボールを受け取って次へと繋ぐ役目も担った。それでも「まだ走り足りないし、学び足りない」。まだまだまだまだ、と『まだ』を重ねた。
「先輩たちがこれで引退になってしまったので、これからは自分がちゃんとお手本になれるように。頑張っていかないとな、と思っています。」
日本代表として戦える経験は、誰もが持てるわけではない。だからこそ「チームのみんなには、学びを還元していきたい」。
大きな経験をした、2023年。新たな決意を胸に、新しいシーズンへと向かう。
SIDE STORY ~試合を終えて
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