試合概要
第103回全国高等学校ラグビーフットボール大会 2回戦
【対戦カード】
三重県立朝明高等学校(三重・12大会連続14回目)0-71 東福岡高等学校(福岡・24大会連続34回目)
【日時】
2023年12月30日(土)15:45キックオフ
【場所】
花園第1グラウンド
試合結果
朝明 0 – 71 東福岡
ディフェンディングチャンピオン・東福岡に挑むは、三重県代表・朝明。
東福岡が終始落ち着いたゲーム運びを見せ、着実にスコアを重ねた。
敵陣でのペナルティでは3つのPGを選択し、うち2本を沈める。
朝明は最後まで体を張り、一矢報いるゴールラインまで目前と迫ったがトライならず。
東福岡が11トライを奪い、完封勝利を収めた。
朝明
真っ赤なウォータービブスを着用した朝明。
胸には『HONDA』の文字が。
「私たちだけでなく、三重県の高校生は練習用でもらっています」と話すのは、保地直人監督。
裏話をすれば、ウォーター用のビブスは別にある。だがここ花園へ持ってくるのを忘れ、ふだんの練習時に使っている赤いビブスを身に着けたのだという。
「大会本部に怒られました」と恐縮した。
カテゴリーは異なれど、三重ホンダヒートと朝明高校は、三重県でラグビーをする仲間。S&C面などで指導を受けることも多いという。
前夜のミーティングにも三重ホンダヒートのスタッフが参加し「チャレンジしよう」とアドバイスを送ってもらった。
「すごく良くしてもらっています。同じ三重県のチームとして一緒に、と言ったら失礼かもしれませんが、レベルアップできるように頑張ります。」
この日は日本一との差を体感した。
しかし先発メンバーの半数が1・2年生。この経験を来年以降に繋げていきたい。
「全国大会に出るだけではなく、こういったチームと接戦に持ち込むことが必要。今年の3年生が諦めずに頑張る文化を残してくれたので、高い目標を持って、根性で頑張ります!」
東福岡
後半開始時に5人を交替。後半15分までに計8人を入れ替えた東福岡だったが「メンバーが代わっても体を当てられ、シンプルに縦にいけた」と評価したのは高比良恭介キャプテン。
キャプテンとして迎える、初めての花園。
「緊張感もあったが、ボールを持って走った時は楽しかった」と振り返った。
福岡県大会の決勝から1ヵ月強。
東福岡の選手たちは、1年間積み重ねてきたことの精度を高め、ディフェンス面での横とのコネクションを意識しながら練習を重ねた。
失点ゼロは、その証。「やってきたことを出せてよかった」と高比良キャプテンは口にする。
昨年、東福岡は6年ぶりの優勝を掴んだ。
藤田雄一郎監督にとっては、自身花園3度目の胴上げ。
だからここで一度区切りをつける。今年は今年の優勝へ、と歩み出した1年間だった。
「選手は総入れ替え。この1年、楽しいです。昨年から変えたことは、オフを増やしたこと。休まないと強くならないので。(藤田監督)」
新しい取り組みも始めた。
『ネクスト』と呼ばれる、1・2年生が主体となった『次世代のグリーン(Aチーム)候補』の育成だ。
夏にはAチームとともに菅平へ上がり、全国の強豪校と武者修行を積んだ。
成果はしかと表れる。
僅か4か月前にはネクストに属していた選手たちが、花園初戦、ファーストジャージーを着てピッチに立った。
ネクストの成長は、チームの進化として表れる。
だがもちろん、決して変わらない、引き継がれる東福岡としての文化も存在する。
新と継。果たして1月7日までに、どのように融合するだろうか。
そしてその先には、何色の景色が見えるのだろうか。
試合後コメント・藤田雄一郎監督
選手たちは花園中に勝手に成長していく。目に見えないうちに成長し、自信を持って、メンバーの輪が2週間で強くなっていきます。
ホテルから練習場、ホテルから花園、を繰り返すこのV字をどう上手く使っていくか。寝食をともにして、夜ミーティングをして、の繰り返し。それが上手くいったチームが、1試合でも多く試合できます。