「期待はしていない、だけど応援はしている」父から送られたエールに「救われました」|流経大柏 13-19 大阪桐蔭|第103回全国高等学校ラグビーフットボール大会

流経大柏

父は流経大柏高校2年次にベスト8。

阿部煌生ゲームキャプテンは、目標としていた父超えとはならなかった。

この3年間、父から掛けられ続けた言葉がある。

「期待はしていないけど、応援はしてる。」

その言葉に救われました、と涙した。

「人からの期待は、どうしても自分を苦しめる。だからこそ『期待はしていないけど応援はしている』の言葉に、1年生の頃から助けられてきました。本当に、お父さんには感謝しています。」

今年のスローガンは『不屈』。

自分たちは弱いし小さい。だからたとえどんな問題が起こっても、どんな訓練でも試練でも乗り越えてチーム一つとなって、絶対に屈さずにいようと心に決めた。

腕に記す、不屈の二文字。

試合中、苦しい時には腕を見て思い出していたという。

「このチームでなかったら、自分はここまで成長していません。弱くても勝てる、ということを全国に証明できたし、自分も実感することができた。本当に良いチームだったと思います。」

だから、来年への教訓を残す。

「2025年の1月3日にこのベスト4の壁を超えられるように。野口健に任せて、一人じゃダメなんだよということを伝えたいと思います。」

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来年の流経大柏を託されたのは、LO野口健選手(2年生)。

この日、チームを救ういくつものタックルを見舞い、チーム唯一のトライとなる起点のビッグゲインを見せた。

「1回戦から何もチームに対して貢献できていなかった。今日は絶対になにか爪痕を残してやろうと思っていました。」

そういうプレーができたことは喜ばしいです、と切り出した。

花園を通して、自分たちがやってきたことは間違っていなかった、と認識することができた。

だがベスト8からの戦いは、また別次元。

「まだまだ自分たちのレベルでは叶わなかった。今日の試合に出ていた人間として、来年は絶対自分がリードしてまたここに帰ってきて。絶対に優勝できるように頑張ります。」

花園で知った、流経大柏のジャージーの意味がある。

「愛、だと思います。仲間に対しての愛。チームに対しての愛。体を張るプレー、最後に一歩引いたらいけない場面。そういう所に、流経大柏のジャージーを着るプライドが繋がりました。」

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今年のチームキャプテンを務める須田大翔選手は、今大会ウォーターとしてチームを支えた。

「花園に懸ける1人ひとりの想いが伝わっています。誰かがリーダーシップを取ったらその人を別の誰かがサポートする。チームとしてまとまったな、と感じています。」

今年の関東大会で初めて公式戦に出場した須田選手。

だがその直後に病が見つかり、ラグビーから離れなけばならなくなった。

花園でジャージーを着ることはできなかった。それでも、ウォーターとしてチームの側にいることを選んだ。

「キャプテンとしても、いちラグビープレイヤーとしても。ここで踏ん張らなかったら、ここで逃げたら、たぶんこの先の人生逃げていく選択しかできないと思う。流経のキャプテンである以上、ウォーターをやらないといけないという使命感でいました。」

試合中、苦しい場面で何度も仲間の背を叩き、声を掛けた姿は、紛れもなく流経大柏のキャプテンであった。

試合後コメント 相亮太監督

ノーシードで勝ち上がってきったこともそうですし、準々決勝をここまでの内容にできたのも、本当にチーム全体が一生懸命やってきた結果だと思います。

だけどやっぱりドラマにはエンディングというものがあって。自分たちの思い描くエンディングには届かなかった、です。

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大阪桐蔭

試合後コメント 13番・林田力キャプテン

流経さんは本当に接点の所、展開力もあったので、苦しい場面があった。自分たちのやりたいことをできたことで勝てたのでは、と思います。
チーム一丸となって、勝利を信じて戦えたことが勝利の要因です。
もちろん若干の焦りはありましたが、そこは出してもしょうがないので。自分たちが1年間やってきたことを信じたら勝てる、と声をかけていました。

――春から成長した所は
フィジカルは一層強化しました。バックスの展開力も磨きました。春の大阪桐蔭ではないと思っています。

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