流経大柏
父は流経大柏高校2年次にベスト8。
阿部煌生ゲームキャプテンは、目標としていた父超えとはならなかった。
この3年間、父から掛けられ続けた言葉がある。
「期待はしていないけど、応援はしてる。」
その言葉に救われました、と涙した。
「人からの期待は、どうしても自分を苦しめる。だからこそ『期待はしていないけど応援はしている』の言葉に、1年生の頃から助けられてきました。本当に、お父さんには感謝しています。」
今年のスローガンは『不屈』。
自分たちは弱いし小さい。だからたとえどんな問題が起こっても、どんな訓練でも試練でも乗り越えてチーム一つとなって、絶対に屈さずにいようと心に決めた。
腕に記す、不屈の二文字。
試合中、苦しい時には腕を見て思い出していたという。
「このチームでなかったら、自分はここまで成長していません。弱くても勝てる、ということを全国に証明できたし、自分も実感することができた。本当に良いチームだったと思います。」
だから、来年への教訓を残す。
「2025年の1月3日にこのベスト4の壁を超えられるように。野口健に任せて、一人じゃダメなんだよということを伝えたいと思います。」
来年の流経大柏を託されたのは、LO野口健選手(2年生)。
この日、チームを救ういくつものタックルを見舞い、チーム唯一のトライとなる起点のビッグゲインを見せた。
「1回戦から何もチームに対して貢献できていなかった。今日は絶対になにか爪痕を残してやろうと思っていました。」
そういうプレーができたことは喜ばしいです、と切り出した。
花園を通して、自分たちがやってきたことは間違っていなかった、と認識することができた。
だがベスト8からの戦いは、また別次元。
「まだまだ自分たちのレベルでは叶わなかった。今日の試合に出ていた人間として、来年は絶対自分がリードしてまたここに帰ってきて。絶対に優勝できるように頑張ります。」
花園で知った、流経大柏のジャージーの意味がある。
「愛、だと思います。仲間に対しての愛。チームに対しての愛。体を張るプレー、最後に一歩引いたらいけない場面。そういう所に、流経大柏のジャージーを着るプライドが繋がりました。」
今年のチームキャプテンを務める須田大翔選手は、今大会ウォーターとしてチームを支えた。
「花園に懸ける1人ひとりの想いが伝わっています。誰かがリーダーシップを取ったらその人を別の誰かがサポートする。チームとしてまとまったな、と感じています。」
今年の関東大会で初めて公式戦に出場した須田選手。
だがその直後に病が見つかり、ラグビーから離れなけばならなくなった。
花園でジャージーを着ることはできなかった。それでも、ウォーターとしてチームの側にいることを選んだ。
「キャプテンとしても、いちラグビープレイヤーとしても。ここで踏ん張らなかったら、ここで逃げたら、たぶんこの先の人生逃げていく選択しかできないと思う。流経のキャプテンである以上、ウォーターをやらないといけないという使命感でいました。」
試合中、苦しい場面で何度も仲間の背を叩き、声を掛けた姿は、紛れもなく流経大柏のキャプテンであった。
試合後コメント 相亮太監督
ノーシードで勝ち上がってきったこともそうですし、準々決勝をここまでの内容にできたのも、本当にチーム全体が一生懸命やってきた結果だと思います。
だけどやっぱりドラマにはエンディングというものがあって。自分たちの思い描くエンディングには届かなかった、です。
大阪桐蔭
試合後コメント 13番・林田力キャプテン
――春から成長した所は
フィジカルは一層強化しました。バックスの展開力も磨きました。春の大阪桐蔭ではないと思っています。
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