【コンソレーション2】熊谷工業×鷲宮
熊谷工業 91 – 0 鷲宮
熊谷工業
ゲームキャプテンを務めるNo.8澁澤歩夢選手は、この日チーム最多の4トライをマーク。プレイスキッカーも担うが、体力面を考慮し、ラストクオーターは10番・萩野凌介選手(2年)へとキッカーを変更した。
「エースで4番状態。プレイスキックもタッチキックも蹴ってヘロヘロ。どこか負担を減らしてあげないと、休憩する場面がない」と、橋本大介監督は理由を説明する。
しかしその采配を事前に伝えられていなかった澁澤選手は、キッカーの交代を機に「トライしなきゃいけない」と奮起。
ビッグゲインをいくつも見せ、試合を締めるラストトライを奪った。
代が変わり、最上級生となって2か月。
澁澤選手に気持ちの変化を問うと、即答した。
「花園に出ることしか考えていません。そこに向かって、自分が引っ張りたい。」
だからこそ、この日の自身のプレーは60点と低めに見積もる。
「自分に任せられているコンバージョンキックが、全然出来ていない。花園予選では、プレイスキック100%で終わりたいです。」
今季の熊谷工業キャプテンを務めるは、2番・小澤勇斗選手(2年)。
中学では野球部のキャプテン。高校入学後「熊谷工業といったらラグビー」とラグビーへの転向を決意した。
「キャプテンとして、練習からエナジーをもって、ずっと声を出すことを意識しています。昨年・一昨年の主将を超えることができなければ、次のレベルには行けません」と断言する。
およそ9割方ボールポゼッションを有していたであろう試合のさなかには「俺らここじゃないから、次があるから。目先の目標じゃないから」と仲間の奮起を促していた小澤キャプテン。
その意を問えば、次の高いを見据えたチーム作りをうかがわせる。
「先週川越東に負けて、みんな悔しい想いをしました。でも悔しい、という気持ちだけで終わってしまったら、このチームはそこまで。今は関東大会に1位で出場することを目標にしているので、そのためにもこの新人戦で今できる最高位の5位になることを意識しています。」
5位決定戦の相手は、浦和高校。
関東大会予選1位通過のためにも「浦和高校を圧倒して勝ちたい」。
***
好調な熊谷工業だが、先週は体調不良者が相次いだ。
スターティングメンバーの3分の2が、試合週に登校できず。一時は不戦敗も覚悟したほどだったという。
「試合当日の朝にメンバーが揃った、というだけの状態でした。」
もちろん練習はできておらず、余計に球際の脆さが露呈してしまった。
それでも、昨季県内無敗の川越東を相手に、0-7と拮抗する。実力を兼ね備えていることは確かだ。
課題はキック処理、そしてエリア取り。
2タイトル目の関東大会予選に向けて、チームは更なる成長を続ける。
鷲宮
新チームのキャプテンを務めるは、No.8小菅隼輝選手(2年)。
「キャプテンは先生からの指名でした。なんとなく、自分かなと思っていた。先輩たちからも(自分が次期キャプテンだと)言われていました。」
昨年はU17日本代表として、埼玉県でたった一人の経験を積んだ。
キャプテン生活は、早くも3か月が過ぎた。
「ピッチの中でも私生活でも、みんなをまとめることが難しい」という。
「キャプテンとして注意しなければならない所もあるし、一緒に楽しむべきところもある。そのすみ分けが難しいです。」
17歳の率直な感想だった。
だが、プレー面では良い影響もある。
「自分が先頭に立たないと」という気持ちになった。
その最たるプレーが、前半の好機に表れる。
敵陣22m内に入った所でボールを持つと、裏へのショートパントを蹴り込んだ。
「当たっても押し負けるし、自分へのオーバー(サポートプレイヤー)もいなかった。こうなったら裏に行くしかない、と思って」と、判断の理由を話す。
だが「やっぱり相手の方が(リアクションが)早かった。」
次は、仲間との連携が課題だ。
「新人戦でベスト8に入る、という目標は達成することができたのですが、まだまだ力の差がある。次の大会までにその差を縮めていきたいと思っています。」