「新しい歴史を作ってくれた」東海大相模、初のベスト4。キーマンは自ら中学校にラグビー部を創設した『倒れないNo.8』|東海大相模 55-7 目黒学院|令和5年度 第24回関東高等学校ラグビーフットボール新人大会 準々決勝

東海大相模

東海大相模にとっては、これが同大会初のベスト4。

これまでの全国選抜大会には、順位戦で出場を決めていた。

「ベスト4に入り、自力で選抜出場を決めたのは初めて。彼らが新しい歴史を作ってくれました。褒めてあげたい」と話すは、三木雄介監督だ。

今季最大の強みは「数パックいる」というFW陣。

交替選手がいることで、タイムマネジメントをしながら各人の経験値も上げることができる。

この日のFWは、1回戦での出場時間が短かった選手を中心に揃えた。

「能力的には頑張れる子たち」と三木監督は評するが、出足が鈍かったこと、相手に1トライを許したことに「今日は緊張があったのかな」と慮った。

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東海大相模に進学した理由を問うと「桐蔭、倒したかったんで」と当たり前のように言い切る選手がいる。

No.8藤久保陸選手。

この日は21番をつけ、後半4分から途中出場した。

ラグビーを始めたのは、まだ幼稚園に入る前のこと。近所の人に誘われ、楕円球を持った。

小学生の頃は西東京ラグビースクールで。中学生になると、通っていた多摩市立多摩中学校に、自らラグビー部を創設した。

「部員は自分しかいなかったのですが、先生にお願いして作ってもらいました。校長先生がラグビー好きな方だったので、理解をしてくださって。」

平日は外部のアカデミーでハンドリングスキルを教えてもらいながら、土日は連合チームでの練習や試合を経験。学校では部活動として、ひとりスキルの向上に努めた。

ボールを持てば、何人も引きずりながら前に出るそのプレースタイルは、小学生時代からあまり変わらないという。

「倒れないこと。何が何でも、接点で負けない。一対一では絶対に負けない。」

ラグビーをする上での心構えが、プレーに溢れ出た。

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憧れは、帝京大学の奥井章仁選手。圧倒的なフィジカルと仕事量。なのにバックスのように器用な手先。

「そんな選手になりたい」と夢を見る。

「そのためにも今は、しっかりとご飯を食べてウエイトをして、チームとマッチできるようなプレースタイルを磨いています。」

試合中のムードメーカーぶりもどこか奥井選手を彷彿とさせるが、しかし自身では口下手だと認識する。

だが、試合になると話は別。

「今日はチームが静かだったので、雰囲気を上げることを意識しました。それがリザーブから入る自分の役回り」と理解する。

「どうせなら自分が相模に行って、桐蔭倒して花園に出たかった」という相手に、先月行われた神奈川県新人大会決勝戦では黒星を喫した。

今季の通算成績、これまで0勝1敗。

だから今大会の最終目標を、決勝戦での神奈川県対決に置く。

そのためにも「準決勝で國學院栃木さんに勝つ準備をしたい(三木監督)」と指揮官が話せば、藤久保選手も「勝ちます」と勝負の2戦を睨んだ。

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