8日に初陣へ。U20日本代表候補、バックスも加わり本格始動。問われる「プレッシャーに立ち向かう力」

2024年7月にスコットランドで行われる『ワールドラグビー U20トロフィー』。
優勝を掴み獲り、20歳以下の世界最高峰の戦い『U20チャンピオンシップ』へと返り咲くべく、2024年のU20日本代表活動が本格始動を迎えた。
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1ヵ月間のFW合宿を経て、3月からはバックス陣も合流。
3月4日(月)にスタートしたU20日本代表候補合宿には、FW22名、バックス18名の計40名が招集された。8日(金)まで行われている熊谷合宿には、そのうち31名が参加している。
報道陣に練習が公開された6日(水)は、前夜に降った雪の影響で急遽室内グラウンドに練習場所を移した。エディー・ジョーンズ男子15人制日本代表HCが見守る中、タックルやハンドリング練習、システムの確認等に汗を流した。

埼玉パナソニックワイルドナイツとの合同練習時の模様
8日(金)にはリーグワン初代王者の埼玉パナソニックワイルドナイツとの練習試合を予定。
指揮を執る大久保直弥HCは「最初の20分をどう戦うか。ハーフタイム時に20点、30点と離されてしまったら、それだけでゲームは決まってしまいます。そこの意識を変えるために、この3月は戦うと言っても過言ではありません」と意義を語った。
なお試合は通常通り、40分ハーフで行われる。
「今合宿に参加している選手を、基本的にはある程度まんべんなく出場させる予定です。格上の相手と対峙した時にどうプレッシャーに立ち向かうか、を期待しています。特にFWは1ヵ月間、1日3回のジムとセットピース練習、そして5回の食事を重ねてきました。やってきたことを信じて、実践の中でどれだけ出せるかという意識を、FW8人は忘れちゃいけないと思っています。相手は強いですが、言い訳せずに8人が結束してスクラムを組む所は出して欲しいです。」
※候補選手一覧はこちら
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大久保直弥HC コメント

(エディー・ジョーンズHCが視察に来ていましたが)一番の栄養ですね。チームミーティングの時に「いま日本代表は世界とこれぐらいのギャップがあって、その差を縮めるためにはこのグループ(U20世代)が最も大切だ」という分かりやすいメッセージを頂きました。選手も素直に反応していました。

本当にインターナショナルな世界を目指すのであれば、常にみんなが刺激し合える仲間でありライバル、という関係性を構築していかなければなりません。そうすれば、より密度の高い、成長を加速させられるグループを構成できると思います。そのためにはマネージメントサイドがそういった意識をもってセットアップしていかなければいけない、と感じています。

FWは1ヵ月寝食を共にしたので「出来上がっている」という感覚です。豊田合宿時に4チームに分かれてカレー作り対決をしました。個性が出て面白かったですね。良い緊張感を持ちつつ、一人ひとりがどう成長するのか、それぞれの責任において改善に取り組んでくれています。選手の姿勢に、コーチとして感謝しています。

ーー今後の予定は
4月末にジュニア・ジャパンとしてパシフィック・チャレンジに参戦します。パシフィック・チャレンジでの登録選手数は28名。この3月の合宿でパフォーマンスを出した選手に加え、2月上旬に福岡で行われた日本代表トレーニングスコッド合宿に参加したメンバーも、オーバーエイジとして何人か加わる予定です。

U20日本代表候補として現在40名をセレクトしていますが、ここはあまり、これ以上増やすつもりはありません。この中で競争をさせながらスコットランドへと考えています。

またパシフィック・チャレンジのあとには、U20の選手たちだけでニュージーランド遠征へ行き、その後U20トロフィーへの登録メンバーを決定します。逆算すれば、この3月に40人がどれくらい格上であるリーグワンチームにファイトできるか、が大切。新しい試みなので、僕も楽しみにしています。

ーーリーダー陣については決定しているか
現在はまだキャプテン・バイスキャプテンという形ではなく、3つの小さなグループ、『ノブナガ』『イエヤス』『ヒデヨシ』に分けてリーダーシップを見ています。最終的に誰が体を張ってリーダーシップを取れるのか、というのは3月が終わってから決めます。

『イエヤス』は我慢のグループ、としてタイトファイブとNo.8。

9・10・12番は、決断力が必要な『ノブナガ』。

『ヒデヨシ』は仕事量が多いグループ、としています。

それぞれのグループでの役割に加え、他のグループにはどんな助けが必要か、と考えることが大事だと思っています。自分たちのグループ単独では何もできないけれど、『イエヤス』が『ノブナガ』と『ヒデヨシ』にどういう助けが欲しいか、と言えるようになることが、自分たちが本当に良いプレーをする上でものすごく大事になってきます。

ーー具体的にどういう行動を見て選手の姿勢を感じ取っているのか
決戦の地がスコットランド、ということを想像した時に、スコットランドは天気が悪く、雨が降ってグラウンドはぐちゃぐちゃ。そのためFW陣は、日本では使うことのない長さのスパイクのポイントを使用する必要があります。

本当にスコットランドに行きたい、と思う選手ほど、そういう所を大事にしているな、と。僕が仕掛けている部分もありますが、自分が良いプレーするための考え方、マインドセットが変わってきています。

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エディー・ジョーンズ 男子15人制日本代表HC コメント

今日の練習については、オーガナイズされていて良かったと思います。日本ラグビーの未来が見えて良かったです。

練習の仕方、考え方については、リーグワンがロールモデルになるでしょう。リーグワンのチームを見て、プレーの一貫性やパフォーマンスの一貫性を学んでくれたらな、と思います。若い選手が早い段階で、より高いレベルでプレーすることが望ましいです。

U20の選手たちの中には、フル代表に選ばれる可能性のある選手もいます。4月に行われるパシフィック・チャレンジには、私も現地へ行きます。そこでのパフォーマンスを見て、フル代表に呼べそうな選手がいれば呼びたいと思っています。自分自身のパフォーマンスを世界の舞台で発揮できるか、が選ばれる条件です。

まだまだ若い選手であっても、投資することが大事。次のワールドカップに向けて、今から若手を育てていけたらと思います。

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