4月14日(日)に熊谷ラグビー場で行われた第25回 東日本大学セブンズラグビーフットボール大会。
明治大学との決勝戦を33-28で制した帝京大学が、大会初のチャンピオンシップ優勝を果たした。
セレクションポリシーは「悔しさをもっている選手」
大会に向けた準備は、選手主導で行われた。
セブンズに特化したトレーニングはほとんど行われず、時間にして合計3時間ほど。
全体練習後に、小村真也選手(4年生)をコーチに据え、選手たち自身で進めたという。
メンバー編成にも選手が携わる。
コーチ役の小村選手、セブンズチームのキャプテンを務めた寺山廉太郎選手(4年生)、そしてセブンズチームの監督・土橋輝久氏が大枠を決め、その中からセレクションを実施。
セレクションポリシーの一つとして土橋監督が挙げたのは「悔しさをもっている選手」だった。
寺山キャプテンは言う。
「僕は、自分自身ではなくセレクションに参加していた同部屋の選手(3年生)の悔しさを背負って大会に出ました」
140名を超える部員の中から選ばれた、今大会の登録選手12名。
15人制の公式戦にも、これまで出場機会を得られていない選手が多くいた。
そんな選手たちの気持ちが分かるからこそ、ともにトレーニングしてきた仲間の分まで、とグラウンドに立った寺山キャプテン。
「日頃のトレーニング内容の濃さ、取り組みの姿勢が表れた初優勝。歴史に名を刻めたことは嬉しい」と笑顔で表彰状を手にした。
二足のわらじ
セブンズチームの監督2年目にして、帝京大学にセブンズ初優勝の栄冠をもたらしたのは、バックスコーチの土橋輝久氏。
試合後、嬉しそうに何度も選手たちと抱き合った。
「初優勝、最高の場面に立ち会えた」と笑顔を見せる。
土橋氏の肩書には、2つの役職名が並ぶ。
一つは、バックスコーチ。もう一つは、採用担当。
週末には、日本全国ありとあらゆる場所で、ありとあらゆるグレードの、高校ラグビーが関係する場所に顔を出す。
日本で最も高校ラグビーの現場に顔を出す採用担当であることに、おそらく間違いはない。
帝京大学には、人材が集まる。
なぜか。
強いから。良い設備があるから。良い環境があるから。
確かに、それもあるだろう。
だが間違いなく、土橋氏のこまやかな『現場力』がなければ、これだけの数の選手たちが帝京大学の門をくぐることはなかったのではなかろうか、と思う。
採用担当 兼 BKコーチ。
今年、新たに「セブンズ優勝監督」の名が加わった。
これぐらい、やらせてくれ
15人制の監督を務める相馬朋和氏も、この日は会場入り。
しかし、あくまでもサポート役に徹した。
試合前のウォーミングアップを終えた選手たちの後ろから、両手に荷物を抱え移動すると、その姿に気付いた学生が「持ちます」と声を掛ける。
だが「これぐらい、やらせてくれ」と、その手を放すことはなかった。
上級生が雑用をこなす文化を持つ、帝京大学ラグビー部。
監督も、例外ではなかった。
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