日本勢同士の対決は「チャレンジ」の連続。2年生は道を切り拓き、春の王者は「バテるまで楽しむ」|サニックスワールドラグビーユース交流大会2024 大会3日目

4月28日に開幕した、サニックスワールドラグビーユース交流大会2024。

大会3日目には男子15人制で予選リーグ8試合が行われた。

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試合結果

10:00/スタジアム

プールC
セント オーガスティンズ カレッジ(オーストラリア)39-3 ジェングオ ハイスクール(中華台北)

10:00/フィールドA

プールC
石見智翠館高等学校(島根)20-22 東海大学付属相模高等学校(神奈川)

石見智翠館高校

全国選抜大会準優勝チームとして、日本のチームには負けたくない。

「絶対に負けられない戦い」と挑んだこの一戦。

だが、2点届かず。

2敗目を喫し、予選リーグ3位通過となった。

「コンディションもそうですが、相手の方がマインドが上回っていた。僕たちも『チャレンジャー』として挑んだのですが、東海大相模さんの「行くぞ」という入りのムードに飲み込まれて、ミスばっかりしてしまいました」

そう振り返ったのは、スタンドオフの原田崇良バイスキャプテン。

東海大相模が起こした大きな波が、瞬く間に石見智翠館を飲み込んだ。

この試合、最初のチャンスで取り切れなかった。

右外に幾人かを余らせた状態で、内側で縦に勝負を仕掛ける。

外からボールを呼ぶ声は大きく聞こえたが、楕円球は届かなかった。

「自分たちのプレーでストレスをためてしまって、相手のやりたいラグビーをさせてしまったことが、前半の22失点に繋がったと思います」

悔しいです、と言った。

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ハーフタイム。

修正点は明確だった。

「相手は、エッジでのブレイクダウンが強み。そこをしっかりと耐えたら、逆に外にチャンスが生まれる。そこへ展開しよう」

言葉通り、後半は一転、石見智翠館ペースに。

この日はNo.8のポジションで出場した、縦に強い祝原久温キャプテンを中心にフェイズを重ねれば、後半だけで3トライを決めた。

だが、3トライ目のコンバージョンゴール成功の笛とともに鳴り響いたノーサイドの笛。

悔しい、予選リーグ3位に終わった。

いまできることは、予選リーグ3位チームで競われる最上位の9位を目指すこと。

「(全国選抜大会で)大阪桐蔭さんに敗れてからやってきたことを出し切りたいです」

走り込んだ1ヵ月。

体を当て続けた1ヵ月。

いまの力を、いまの石見智翠館のラグビーを、遂行したい。

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東海大相模高校

この日のテーマは、ただ一つ。

「全国選抜大会準優勝校にチャレンジしよう」

自分たちのフィジカルがどれだけ通用するのか試そう、と挑んだ。

前半開始から畳みかけたアタックはバラエティーに富んだ。

10番・長濱堅選手が右に流れた所、すぐ内に返して12番・中尾思選手がトライ。

ラインアウトモールからのトライに、No.8藤久保陸選手の倒されない推進力誇るボールキャリーから3トライ目。

前半23分には、鮮烈なカウンターラックを仕掛ける。

ボールを奪い返した瞬間にSH紺谷隼太郎選手がボックスキックを蹴り上げ、14番・福岡遼選手がキャッチ。追いつかれる前にもう一度福岡選手が蹴り込めば、インゴールで自ら追いつきトライ。

前半だけで4トライを決めた。

「相手が沈んでいた所を、先に仕掛けることができた」と三木雄介監督は振り返る。

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タクトを振るうは、長濱堅選手。

「相模は勢いに乗ったら止められない。先制トライを取ると決めていたので、前半は良いマネジメントができたと思います」

フォワードは必ず前に出てくれる。だからバックスはエリアを取って、敵陣で戦いを挑んで、FWで仕留める。

モールでトライを狙い、FWが押し込み、最後はバックスで取り切る。

雨の日であっても、東海大相模の大枠は変わらなかった。

3月末に行われた全国選抜大会では、2年前の花園で届かなかったベスト8入りを果たした。

ベスト16の壁を越えたことで「全員の自信になった。僕自身も自信がつきました」と話す長濱選手。

誰かが自信を得れば、その引力に引き寄せられ、あれよあれよという間にチーム全体がレベルアップする。

ゲームメーカーとしても、ハーフ団としても大きな成長を見せた前半の25分間に「(スクラムハーフの)紺谷(隼太郎)くんを信頼しているので」と笑った。

築き上げた関係性が示された前半だった。

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だが後半、雰囲気は一変する。

「新たなエネルギーを生み出そう」と選手交替を交えたが、「上手く噛み合わず空回りしてしまった。反則ばっかり繰り返してしまった」とは三木監督。

長濱選手も「レフリーに全然アジャストできず、自爆してしまった」と後半の戦いを振り返った。

「今日はレフリーさんが外国の方でした。普段であれば、どこがどうダメなのか自分からコミュニケーションをとって、それをチームに伝えているのですが、今日はそれができなかった」

コミュニケーションの大切さを、改めて学んだ。

これで予選2位通過。

5位決定トーナメントには、日本勢が並んだ。

三木監督が「ヒガシさんとやりたい」と話していた通り、3日には東福岡と対戦する山組みが決定。

「結果がすべて。勝って反省できる」と選手たちへ語り掛け、次なるチャレンジへと向かった。

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