20歳の今季、帝京大学で先発を務め続けた2人がいる。
帝京大学2年の森山飛翔選手と、カイサ・ダウナカマカマ選手。
強いボールキャリアーであり、また下働きをいとわない2人の20歳が『成人の日』に挑む第61回全国大学ラグビーフットボール選手権大会決勝戦への決意を明かした。
3番・森山飛翔
今季の対抗戦には全て3番で先発出場。
不動の地位を築いたのは、森山飛翔選手。
初夏には日本代表活動にも参加し、JAPAN XVとしてマオリ・オールブラックス戦にも出場した。
準決勝・明治大学戦を終え「楽しいですね」と無邪気に答えるその姿は、20歳そのものだった。
「昨年は後半からの出場で、このプレーで失敗したら試合が終わってしまう・・・と(ミスできなかった)。でも今年はチャレンジする機会が多い。うれしいです」と理由を語る。
決勝戦の相手は、夏の菅平で14-38、秋の対抗戦で17-48と負け越している早稲田大学。
クラブハウスのホワイトボードには、その2試合のスコアボードの写真が貼られているといい「グラウンドに出る前には毎日必ず目にしてる」悔しさを忘れない。
「早稲田に負けてチームが変わったと言われています。敗れた悔しさはしっかりとある。スクラムで圧倒したいです。昨年は(先輩たちに)勝たせてもらった感が強いのですが、今年は自分がチームを勝たせられるようになりたい」
かつては「タックルが嫌い」と話すこともあったが、いまは変わった。
「気持ちの持っていき方を教わったことで変わりました。いまはタックルにいきたい!」と闘志を燃やす。
スクラムも、早稲田対策をしっかりとして。
「圧倒的に勝ちます!」と残し、晴れの舞台へと向かった。
4番カイサ・ダウナカマカマ
コーチ陣が「人格者」と評するのはカイサ・ダウナカマカマ選手。
シーズン序盤はNo.8。しかし11月末からポジションをロックに移せば、その魅力を最大限に発揮する。
特にディフェンス局面での体を張ったプレーは、なんども相手のチャンスの芽を摘んだ。
ロックの練習を始めたのは今季夏からだった。
「体重が重いからロックがいいんじゃないですか(笑)」と本人は笑うが「試合に出られるならポジションはどこでもいい。ラグビーが好き」と、背番号にこだわることはない。
身長182㎝、体重120㎏。
まさに帝京大学のロックらしいフィジカルボムは、フィットネスが大きく向上し、いまではチームに欠かせぬ選手となった。
「昨年の大学選手権決勝に出場したのは、後半途中から。今年は先発で出たい」が原動力だった。
シャイな性格。練習中は「静かなんですよ」と照れた表情を見せるが、一歩グラウンドを離れるとその顔には笑顔が咲く。
青木恵斗キャプテンやLO本橋拓馬選手、李錦寿選手に小村真也選手ら4年生から多くのことを学んでいることを、流暢な日本語で感謝の言葉とともに明かした。
「4年生にはリーダーシップがあります。そのリーダーシップを学び、上級生となる来年には、僕が受け継ぎたいと思います」
尊敬する4年生とのラストゲーム。
頂点に導く、下働きを積み重ねる。