わたしがラグビーを好きな理由【vol.1 ライ】

2020年9月5日
今週のfan

1 にわかファンとラグビー

にわかファンとラグビー

果たして、ユーキャンの新語・流行語大賞にラグビー関連用語が５つもノミネートされる日が来ると予想した人はいたのだろうか。
2019年は、まさしくラグビーの年だった。大賞に輝いた「One Team」をはじめ、「笑わない男」「ジャッカル」などが軒を連ねたが、そのうちの一つが「にわかファン」。
ラグビーに限らずサッカーなどでもワールドカップ時には「にわかファン」が急増するが、流行語大賞に選出されるほど盛り上がったことは過去なかった。

そんな、昨年のラグビーワールドカップ2019でラグビーを好きになった「にわかファン」は、ラグビーのどういう所に惹かれたのか。またコロナ禍で国内の試合がない現在、どうやってラグビーを楽しんでいるのか。
ふと疑問をもち、Twitterのプロフィール欄に若葉マークを付けている『ライ＠🏉(🔰)⚾⚽🏎（＠RRYYE96Rugby）』さん（以下、ライさん）に話を聞いてみた。

ラグビーに興味を持ったきっかけ

ーーまずは、ライさんがラグビーに興味を持ったきっかけを教えてください。

「御多分に漏れず、ラグビーワールドカップ2019です。2015年のワールドカップで日本代表が南アフリカ代表を破った、いわゆる『ブライトンの奇跡』はニュースレベルで知っていましたが、1試合80分通して試合を観たのは開幕戦の日本ｖロシア戦が初めてでした。」

ーー9月20日まではラグビーを全く観たことがなかった、と。そもそもなぜ、開幕戦を観ようと思ったのでしょうか？

「地元・愛知で行われた、日本ｖサモア戦のチケットを購入していたんです。なぜチケットを買ったのか全く覚えていないのですが(笑）開催都市住民枠で購入したことだけは覚えています。なので予行演習がてら、ラグビーの雰囲気を知りたいと思いまして。それくらいの気持ちで、テレビのチャンネルを合わせていましたね。この頃の自分は、恥ずかしながら試合時間も試合人数もわからない、とにかくラグビーについて何も知らない状態でした。」

（RWC2019のチケット。中止になった、ニュージーランドｖイタリア戦も観戦予定だった。　写真提供：ライ＠🏉(🔰)⚾⚽🏎（＠RRYYE96Rugby））

ーー選手人数も知らない中で観るラグビー、ルールも難しいしハードル高かったですよね？

「いや、それがそうでもなかったんです。初心者にも分かりやすいようにアナウンサーさんたちが実況・解説してくれていたので、すごく楽しむことが出来ました。おかげで一気にラグビーに興味が沸きましたね。その後、日本ｖアイルランドや地上波で放送された試合を観ながら、初現地観戦に向けて選手やルールを覚えていきました。」

ーー初めてスタジアムで観た試合が日本ｖサモア戦とは、なんとも羨ましいです。率直にいかがでしたか？

「体と体がぶつかり合う音、セットプレーでの緊張と静寂。トライした時の会場の一体感に直に触れ、あっという間にラグビーの虜になりました。テレビでは味わえない、生の醍醐味ですね。中でも感銘を受けたのが、ノーサイド後に日本代表とサモア代表の選手たちが共にスタジアムを一周したことです。おそらく現地で観戦していなくてもラグビーを好きになっていたとは思いますが、その後も引き続きスタジアムに足を運ぼうとは思わなかったと思います。それくらい、素晴らしい光景でした。」

（目の前で繰り広げられる激しいプレーに、一気に虜に。　写真提供：ライ＠🏉(🔰)⚾⚽🏎（＠RRYYE96Rugby））

ーー素敵な試合をご覧になったのですね。サモア戦後もラグビーを観に行かれたのですか。

「ワールドカップ期間中は、リセールサイトをチェックする日々でした（笑）3位決定戦と決勝のチケットを購入できたことは、幸運だったと思います。トータル3試合、ワールドカップは現地で観戦しました。もちろんワールドカップ後も、トップリーグを観に行きましたよ。計6試合、スタジアムで観戦しています。」

ーーここまで一気にラグビーを好きになるなんて、ライさん自身も驚かれたことと思います。ラグビーのどのような所が、ライさんをここまで惹きつけたのでしょうか？

「ラグビーは、『剛』と『柔』のバランスがうまく取れたスポーツだと思います。パスをつないで相手を交わす時もあれば、激しいタックルで突破を図ることもある。倒しても倒されても何度でも這い上がって楕円球を追いかけ続けるひたむきな姿勢に、惹かれたのかもしれません。

スタジアムの雰囲気もとても好きです。牧歌的というか、自分にとってとても心地良い雰囲気なんですよね。まだラグビーを好きになって1年も経たないので、末永くラグビーと触れ合い、ラグビーの好きな所をもっともっと見つけていきたな、と思っています。」

（ラグビーの歴史から見方まで、幅広く勉強中。　写真提供：ライ＠🏉(🔰)⚾⚽🏎（＠RRYYE96Rugby））

ラグビーの楽しみ方

ーー残念ながら新型コロナウイルスの影響で2020年度のトップリーグが中止となり、早くも半年が経ちました。この間、どのようにラグビー熱を保っていたのでしょうか。

「ラグビー関連の書物を読んだり、YouTubeで過去の名勝負を探したりしながら過ごしています。80年代のラグビーを観ると、スクラムやラインアウトなど現代ラグビーと異なる点も多く違和感たっぷりですが（笑）なかなか面白いですよ。

あとは、海外ラグビーを積極的に観ています。スーパーラグビーアオテアロアは、ほとんど全部オンタイムで観ました。気付いたらジャージも全チーム分揃えていましたね。
それでもやっぱり、生で観るラグビーがどうしても一番楽しいです。日本でも、一日も早くスタジアムで観戦できる日が来ることを願っています。」

（気が付いた時にはスーパーラグビーに所属するニュージーランドチームのジャージをコンプリート。ワールドクラスの試合が毎週観れて楽しかった。　写真提供：ライ＠🏉(🔰)⚾⚽🏎（＠RRYYE96Rugby））

ーー最後に、今後注目したいラグビーのカテゴリーを教えてください。

「直近では、欧州ラグビーを知っていきたいと思っています。プレミアシップ（イングランド）やPRO14（アイルランド・ウェールズ・スコットランド・イタリア・南ア）が再開したことに加え、今季から松島幸太朗選手がTOP14（フランス）に参加していますからね。フランスリーグは特に注目しています。もちろん、日本の学生ラグビーも気になります。特に今年は花園が100回大会ですからね。ぜひ観に行きたいです。

ただ、これらの配信チャネルが異なるんですよ。プレミアシップはDAZNだし、シックスネーションズはWOWOW、学生ラグビーはJ SPORTSにPRO14やTOP14はいまの所TV放送がありません。なので一つ要望を出すとすれば、ラグビーの視聴環境が整うといいな、と思っています。できれば有料チャンネルが１つ～２つにまとまると、ラグビー全体を追いかけ易いですよね。

もっと言ってしまえば、トップリーグなどは地上波放送を増やしてほしいです。にわかファンにとって、いきなり有料放送を登録するのはハードルが高いと感じます。昨年のワールドカップでにわかファンが増えた要因の一つは地上波放送があったことだと思うので、ぜひ引き続き地上波でラグビーが観れるといいな、と思います。」

（これからもっとラグビーを好きになっていきたい。　写真提供：ライ＠🏉(🔰)⚾⚽🏎（＠RRYYE96Rugby））