パナソニック ワイルドナイツを迎えるにあたり
ーーパナソニック ワイルドナイツが熊谷に移転してきます。意気込みを教えてください。
増田「クラブハウスや宿泊棟などを、熊谷ラグビー場Aグラウンド横に新設します。我々埼玉県協会が融資を受け建設し、それをパナソニックに貸す、という仕組みです。パナソニックとは35年契約ですので、じっくりと腰を据えてお付き合いしていきたいと思います。」
ーーアイディアはあるのでしょうか。
増田「まず一つは、熊谷スポーツ文化公園内にあるラグビー場を最大限に活用すること。現在ラグビー場は3面あるのですが、練習などでも使えるグラウンドを別に整備しています。この日本屈指のラグビー環境をきちんと活かすことが至上命題です。またワールドカップが行われたAグラウンドは、客席とグラウンドの距離がとても近い。その近さを活かした施策を生み出していきたいですね。」
小泉「普及という観点では、メリットしかありません。特に子どもたちには、大きな影響を与えるのではないでしょうか。トッププレーヤーの普段の練習を見ることができるので、単純な憧れから『こういう練習をしたら僕も私も日本代表になれるんだ』とステップアップしたマインドを生み出せると考えます。
それはラグビーをしている学生・生徒だけではなく、他のスポーツをしている子どもたちにも当てはまる。熊谷スポーツ文化公園では多くの学生アスリートが普段から練習・試合を行っているので、埼玉のスポーツ界全体のモチベーションを上げられるのでは、と考えます。」
これからもパナソニック ワイルドナイツとともにラグビーを盛り上げていく。(小泉)
インタビューを終えて
取材中印象に残ったのは『ラグビーの魅力を伝えられる協会になりたい』という言葉。
ワールドカップの盛り上がりを協会は持続してくれるのだろうか、と不安に思うファンの方もいるだろう。だが、心配はいらない。埼玉県協会は、次の一手を打つ準備をしている。
試合だけではない楽しみ方、チームを身近に感じられるための施策を生み出すためにも、まずは金軸含め自立したい。その足掛かりとなるのがこの事務局体制だ、と断言する理事長の姿に、一ファンとしてとても心強かった。
目指すは、熊谷をラグビーの聖地にすること。想いだけではなく、実行力が伴ったパイオニア精神溢れる人たちが創り上げる『埼玉のラグビー』に、注目だ。