専修v大東文化【関東大学リーグ戦1部 第1週】

目次

後半

後半は一転して、スコアボードが全く動かない。

最初に言っておくが、後半の得点は両チームあわせても1トライ1ゴールの7点のみ。それくらい、80分通して戦うのが久しぶりな選手たちにとって、タフな初戦だった。

 

特筆すべきは、後半5分。

大東2番・酒木選手が、自陣10m付近からボールを持って走り出す。1人・2人と交わすと、なんとショートパントを蹴り上げた。敵陣22m付近で自らキャッチすれば、ノンメンバー席の盛り上がりは最高潮。

もう一度言おう。フッカーの酒木選手による、ウイングのようなプレーだ。背面パスをもこなす酒木選手は、さながら日本代表・堀江選手のよう。

あまりにも盛り上がった仲間からの歓声をなだめるよう、笑いながら「シーッ」とする姿は、なんとも愛らしい。

バックスにも良い選手が揃う大東。

バイスキャプテンの15番・鈴木匠選手は、ここぞという場面でノックオンし落ち込んでいる11番・佐藤心選手に対して「心、落ち着いてな。(チャンスは)くるから!」と声を掛ける。スクラムの時には、「(3番の)野口、プレッシャー!」と仲間を鼓舞した。一番後ろに、心強い選手が控える。

後半22分に途中出場した、22番・青木拓己選手も2年生ながら頼れる存在だ。「大東、こっから上げよう!」と声を掛けたかと思えば、アシスタントレフリーに進んで立ち位置の確認を取る。184cm/94kgの大型バックスは、スタンドオフにセンター、フルバックとマルチにこなす。将来が楽しみな選手だ。

 

変わって専修サイド、2番の小栗冬雅選手は試合中ずっと笑顔だった。ラグビーができることが楽しいと言わんばかりの表情は、きっと虜になる人も多いはず。

大東といったらフォワード、専修といったらバックス、というイメージもあると思うが、違う側面を覗くと面白い発見がある。だからラグビーは飽きない。

試合展開に話を戻すと、試合が動いたのは後半25分を過ぎた頃。

敵陣ゴール前でマイボールスクラムを得た大東は、この試合初めてスクラムで勝負した。押す大東、審判の手が大東のアドバンテージを示す。するとそれを見たNo.8サイモニ・ヴニランギ選手、自らボールを持ち出す判断をした。結果は、専修の猛ディフェンスに阻まれる。少し、空気が専修に寄った。

直後に同じような場所で再びペナルティを得た大東、やはり選択したのはスクラム。が、今度は逆にコラプシングを取られてしまう。後半30分、専修ボール。明らかに、専修の空気に変わった。

あっという間に敵陣深くまで攻め込んだ専修は、ゴールポスト目の前でスクラムの機会を得る。スクラムの最後尾からNo.8原健将選手が持ち出し、力でインゴールまで持ち込んだ。後半38分、実に今試合17回目のスクラムだった。

コンバージョンも決まって、試合終了。専修29点、大東19点。

歓喜に沸く専修。それもそのはず、2018年にリーグ戦1部復帰後、初の開幕戦勝利。良いシーズンの幕開けだ。

 

***

最後のスクラム、体を張って失点を防ごうとした大東SH南昂伸キャプテンが右足を負傷。松葉杖で退場した。

ラストシーズン、どうか最後まで戦えますように。

何よりも今年、めっきりと練習機会が減り、練習試合は数えるほどしかしていない選手たちが、怪我なく戦い抜けますように。

そう願わずにはいられない。




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