日本体育大v早稲田大【関東大学対抗戦Aグループ 第3週】

試合展開

日体:青、早稲田:赤黒

前半

11時30分、時間どおりにキックオフの笛が鳴った。

5分程前からスタジアムを包んでいた不思議な緊張感は、グラウンドから聞こえてくる選手たちの声によって打ち消される。

 

試合開始早々、開幕戦から3戦連続で司令塔を務める10番・吉村紘選手のグラバーキックに反応したのは11番・古賀由教選手。日体の選手にあたってタッチに出たため、敵陣5m付近でマイボールラインアウトを獲得すると、早稲田は左サイドでラインアウトモールを形成する。アドバンテージを確認するやいなや、モールからボールを出す。10番の逆サイドへのキックパスに向かって走りこんだ14番・槇瑛人選手が、そのまま右隅へトライ。7点を先制する。時刻は、わずか1分を少し過ぎた頃。幸先の良いスタートだ。

2トライ目も、早稲田大学。前半7分、1トライ目と同じような吉村選手のキックパスは残念ながらデッドボールラインを割りドロップアウトに。22mからの日体ドロップキックをキャッチした10番、14番にボールを託すと槇選手は華麗なラインブレイク。最後はすぐ後ろにサポートについていたNo.8でキャプテンの丸尾崇真選手がグラウンディングし、7点を重ねた。

前半11分過ぎ、キャプテンが9番の小西泰聖選手にそっと耳打ちをする。

何を話したか。

直後の早稲田ボールスクラム、10番・吉村選手の左に大きく展開する飛ばしパスを受けた11番・古賀選手が左隅を走り込み、内に返すとそこには9番・小西選手が。よもや先ほどの耳打ちは、この作戦の指示だったのかと思わせる程のタイミングに驚かされる。50m6.1秒というウイングのような快速スクラムハーフは、あっという間にインゴールにボールをつけた。

早稲田21点、日体0点。ただいま、前半の12分。

その10分後にも、15番・南徹哉選手による数十メートルのゲインから5番・下川甲嗣選手と繋ぎ、最後は9番へ。早々に本日の2トライ目を決めた小西選手は、開幕戦に次ぐ先発だった。早稲田の展開ラグビーには欠かせないスピードある球捌きを任されたスクラムハーフが、2トライを取ってもなお険しい表情だったのは、目指す頂きが高いからか。

前半終了間際には、インゴールまで残り5mでの早稲田ボールスクラムから丸尾キャプテンが押し込んでトライ。あっという間の40分、気付けばスコアは0対35。早稲田、前半で大きなリードを奪う。


スポンサーリンク