昌平高校といえば、3年前の花園で東福岡相手にわずか7点のビハインドで前半を折り返した試合を思い起こす高校ラグビーファンもいるのではないだろうか。
あれから3年。再び埼玉県王者として花園ラグビー場に戻ってきた昌平高校に、花園年越しに掛ける意気込みを聞いた。(12月中旬、花園開幕前にインタビューしたものです)
幾重にも重なった観客の列
昌平高校を率いて13年。御代田 誠(みよた まこと)監督には、忘れられない光景があるという。
「3年前に初めて花園に出たとき、2回戦で東福岡高校さんと戦ったんですけど。前半終わって7-14、大健闘したんです。なにやら昌平が善戦してるらしい、と噂を聞きつけたファンが試合中に第2グラウンドに移動してきてまして。観客の列が、二重にも三重にもなったんですよね。あれは本当、嬉しかった。忘れられないんです。」
前年度王者の東福岡を本気にさせた、3年前の昌平。今年は2回戦で、大阪第2地区の覇者でありシード校・大阪朝鮮高級学校と対戦する。
ぶっつけ本番
監督にキープレーヤーを問えば、迷いなく「スクラムは3番・菅野侑多朗。それからスクラムハーフの渡邉力丸がどれだけ球出しを早くできるか。それによって、スタンドオフの篠崎虎太郎とFBの北川拓来が活きてくる」と語る。
言わずもがな、キャプテンの黒埼慎之助選手とバイスキャプテンの山口大悟選手もゲームをコントロールする精神的支柱だ。「黒埼は縦に強い。山口はFWの柱。怪我でしばらく離脱していたので花園がぶっつけ本番になるが、やってくれると信じています。」
コンディションは大丈夫。花園では、自分と2人のバイスキャプテンとでチームをリードしたい(黒埼キャプテン)
悲願の年越しへ
2度目の花園で目指す所を問うと「目標が低いと思われてしまうかもしれないですが」と前置きした上で「ベスト16。シード校に勝って、年越ししたい」と話してくれた御代田監督。
前回の初出場時が1勝1敗で2回戦敗退。花園で勝ち越すことが、いかに難しいか。でもその機会は巡ってきた。
どれだけ昌平高校の爪痕を残せるかチャレンジしたい(御代田監督)
いよいよ明日に控えし大一番。
黒埼キャプテンは、前に出るディフェンス、そして得意のジャッカルでゲームを優位に進めていきたいという。「バックローの山口大悟と小沼勇貴(NZ留学経験有り)は、教科書のようなジャッカルを決めてくれる。FWのチームらしくFWの突破力と、速いバックスのランナーを武器に、年越しを決めたいです。」
毎年、花園の県予選が始まる前に『Road To 花園Tシャツ』を作る。今年の漢字は『闘』。背中に大きく『闘』を背負って、明日30日12時から花園第2グラウンドで大阪朝鮮戦に挑む。