記憶に残る言葉
どうしても1つに選びきれなかったので、2つご紹介します。
まずは1つ目。
「僕がもし、抽選カードを引いていたとしても、山田と同じように筑波サイドにあった封筒を引いた」筑波大・岡﨑航大キャプテン(大学選手権3回戦)
大学選手権3回戦、同点のため次戦への出場権は抽選に託されたこの試合。
負傷退場した岡﨑キャプテンに代わって筑波大の抽選カードを引いたのは、バイスキャプテンの山田選手でした。
最初の予備抽選で1番手を引き、本抽選で先に封筒を選ぶ権利を得た筑波・山田選手は、流経・坂本キャプテンの前にあった封筒を手にします。
【#全国大学選手権 3回戦】
🏉試合終了🏉#流通経済大学 19−19 #筑波大学同点のまま試合終了となり、勝敗は抽選で決めることに…
結果は流通経済大学が次のステージに駒を進めました‼️‼️オンデマンドで見逃し配信🌟
👉https://t.co/M9j7VzDN2P#ラグビー #大学ラグビー pic.twitter.com/Hq8pzbnarN— J SPORTS🏉ラグビー公式 (@jsports_rugby) December 13, 2020
しかし、残念ながら次戦への出場権は流通経済に。
記者会見でその時の心情について問われた岡﨑キャプテンは、「僕がもし、抽選カードを引いていたとしても、山田と同じように筑波サイドにあった封筒を引いた」と話したのです。
そう、あれは『流経の前にある封筒』なのではなく『筑波ベンチ側に置かれている封筒』だったのです。
誰が引いたとしても、筑波ベンチ側に置かれた封筒を手にしていたであろう一貫した姿。そして自分たちを信じる姿勢が詰まったこの言葉が、とても印象に残っています。
2つ目は、こちら。大学選手権決勝後の記者会見での一言です。
「ラグビーができて幸せでした」早稲田大・丸尾キャプテン
丸尾キャプテンにとって、第一線で戦う最後の試合となった大学選手権決勝。残念ながら敗れてしまったものの、これまでのラグビー人生、そしてキャプテン就任後コロナ禍で苦労したことを問われると、こう語ったのです。
「この一年、コロナで苦しいと思ったことはなかった。ラグビーが出来ることが幸せだった。協会関係者・全国のラグビー部員、最前線で奮闘している医療関係者の皆様含め、本当に感謝しています。ラグビーができて幸せでした。」
大学1年生からアカクロを背負い続けた丸尾キャプテン。いや正確に言えば、中等部から早実ラグビー部でプレーしたので、10年でしょうか。その集大成となる今シーズン、普段どおりの練習どころか生活スタイルすらもままならない中で、先頭に立つ人が「幸せだった」と言えることは、きっと後輩たちにとっても救われたのではないでしょうか。
自身の引退試合で「ラグビーができて幸せだった」と思える選手が、これからも増えますように。そう、願った瞬間でした。