【2020年シーズン】記憶に残る1ページ<大学生篇>

記憶に残る言葉

どうしても1つに選びきれなかったので、2つご紹介します。

まずは1つ目。

「僕がもし、抽選カードを引いていたとしても、山田と同じように筑波サイドにあった封筒を引いた」筑波大・岡﨑航大キャプテン(大学選手権3回戦)

大学選手権3回戦、同点のため次戦への出場権は抽選に託されたこの試合。

負傷退場した岡﨑キャプテンに代わって筑波大の抽選カードを引いたのは、バイスキャプテンの山田選手でした。

最初の予備抽選で1番手を引き、本抽選で先に封筒を選ぶ権利を得た筑波・山田選手は、流経・坂本キャプテンの前にあった封筒を手にします。

しかし、残念ながら次戦への出場権は流通経済に。

記者会見でその時の心情について問われた岡﨑キャプテンは、「僕がもし、抽選カードを引いていたとしても、山田と同じように筑波サイドにあった封筒を引いた」と話したのです。

そう、あれは『流経の前にある封筒』なのではなく『筑波ベンチ側に置かれている封筒』だったのです。

誰が引いたとしても、筑波ベンチ側に置かれた封筒を手にしていたであろう一貫した姿。そして自分たちを信じる姿勢が詰まったこの言葉が、とても印象に残っています。

「流経さんあっての僕ら」 流通経済大v筑波大【第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会3回戦】

 

2つ目は、こちら。大学選手権決勝後の記者会見での一言です。

「ラグビーができて幸せでした」早稲田大・丸尾キャプテン

丸尾キャプテンにとって、第一線で戦う最後の試合となった大学選手権決勝。残念ながら敗れてしまったものの、これまでのラグビー人生、そしてキャプテン就任後コロナ禍で苦労したことを問われると、こう語ったのです。

「この一年、コロナで苦しいと思ったことはなかった。ラグビーが出来ることが幸せだった。協会関係者・全国のラグビー部員、最前線で奮闘している医療関係者の皆様含め、本当に感謝しています。ラグビーができて幸せでした。」

大学1年生からアカクロを背負い続けた丸尾キャプテン。いや正確に言えば、中等部から早実ラグビー部でプレーしたので、10年でしょうか。その集大成となる今シーズン、普段どおりの練習どころか生活スタイルすらもままならない中で、先頭に立つ人が「幸せだった」と言えることは、きっと後輩たちにとっても救われたのではないでしょうか。

自身の引退試合で「ラグビーができて幸せだった」と思える選手が、これからも増えますように。そう、願った瞬間でした。

「ラグビーができて幸せでした」天理v早稲田【第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会決勝】

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