ザ・プレーオフを制したパナソニック、決勝へ。|TL2021準決勝<トヨタ×パナソニック>

80分の物語

トヨタ:白ジャージ、パナソニック:青ジャージ

HISTORY of TOYOTA Verblitz

「一瞬の判断、一瞬のミスが命取りになった。(茂野海人キャプテン)」

「後半、スピードが落ちラック周りでDFがコネクトできていないシーンもあった。体力ではなく、メンタル。マインドセットに寄る所が大きい。(サイモン・クロンHC)」

前半は一瞬で上回っていた所を、後半は一転、相手に隙を与えてしまった。

「Best of the Best」を掲げて挑んだ準決勝。

後半19分まで、トップリーグ4度の優勝経験を持つパナソニック相手にシーソーゲームを演じた。

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相手に与えたペナルティは、全部で11。今シーズン、パナソニックにとって最多のペナルティ数である。

規律が武器のチームから得た2桁の反則に、ディフェンスを誇りとするチームの大外を回り込んだトライ。

トヨタ自動車ヴェルブリッツとして、この試合のために積み重ねた努力、そして「Best of the Best」の意味を、見ている誰しもが理解できる80分間だった。

それでも届かなかった、決勝の舞台。

「パナソニックのような相手には、全員が自らの役割を80分間やり切る必要がある。バック3が強みのチームには、1人・2人役割を全うしない人が居たらいけない。(サイモン・クロンHC)」

明らかになった課題を手土産に、来シーズン、決勝の壁を突破する。

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大車輪の活躍を見せた、7番・古川聖人選手。サイモン・クロンHCも「110%やり切ってくれる素晴らしいプレーヤー。シーズンベストの活躍だった」と褒めちぎった。

試合後、じっとグラウンドを見つめている古川選手の元に歩み寄ったのは、相手チームのゲームキャプテンであり東福岡高校の先輩である布巻峻介選手。

「以前から自分のプレーを見て頂いていたようで、『プレー良くなったね』と言って頂けました。布巻さんは、同じポジションの東福岡高校の先輩。追いつき追い越す気持ちで毎日プレーしているので、(そう言って頂けて)良かったです。」

最後に7番同士握手を交わすと、ぐっと涙がこみ上げた。

今季、茂野海人選手とともに共同キャプテンを務めるキアラン・リード選手は、試合後全ての選手、そしてスタッフ一人ひとりと肩を寄せ合った。

「仲間が諦めずにファイトし続けたことを誇りに思います。」

日本で、トヨタで現役生活を終える決断を下した、オールブラックスの偉大なる主将経験者。

試合中の円陣では、必ず言葉を発する。仲間に訴えかけるように熱い眼差しを絶やさないその姿勢は、間違いなくチームで継承されていくはずだ。

スタンドへの挨拶を終えると、大粒の涙を流したトヨタの選手たち。

「フーパ―選手との毎日の個人練は夢のような時間でした(古川選手)」

「個人としても1段階2段階レベルアップして、次のリーグでは優勝目指してチーム一丸戦っていきたい(高橋汰地選手)」

今シーズンの経験を胸に、この先きっと、彼らがチームを強くする。

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