東京2020オリンピック|7人制ラグビー|プールB|カナダ 対 日本|7月27日(火)9:00キックオフ
1日目は酷暑。2日目の今日は、雨降る中でのゲーム。
勝たなければ、準々決勝進出の希望が絶たれるプール最終戦。
キックオフボールの確保とポゼッションの優位性が求められる。
しかし、ゲーム展開は全く異なるものとなった。
日本がやりたかったゲーム展開を、カナダに譲ってしまった。
試合開始のキックオフは日本。
22m中央付近に藤田慶和選手が蹴り込み、プレッシャーを掛け続ける。
セル ジョセ選手とボーク コリン雷神選手がカナダのボールキャリアを右サイドに追い込むと、ボールを奪い取り攻撃を仕掛ける。
が、初戦でトライを奪った松井千士キャプテンにボールを放った所でスローフォワード。
昨日反則を幾度か取られたスクラムは、やはり本日もアーリープッシュを取られてしまう。
カナダからボールを奪うセル ジョセ選手
昨日の英国戦同様、その後のディフェンスシステムが機能しきれず、6番コナー・ブレイド選手にトライを許す。
最後まで藤田選手が追いかけ、右端にトライさせるも、コンバージョンキックが決まり7-0。
最初のトライを許す。
コナー・ブレイド選手
次のカナダボールキックオフをノックオンしてしまうと、スクラムから攻撃を繋げられ、同じくブレイド選手が右サイドにトライを決める。
前半4分、12-0。
その後、RVR(The Referee Video Review)判定でセル選手がハイタックルのシンビンを受けると、その間にも1トライ。
前半を19-0と、3トライリードされ折り返す。
ポゼッションが低く、攻撃する時間を確保できないジャパン。
後半はキックオフボールをしっかりとキャッチし、テンポ良くトライを決め、相手にボールを渡す隙を与えたくない。
そんな気迫が届いたのか、後半最初のキックオフボールが乱れるとキックでエリアを広げ、サポートに走り込んできた4番・羽野一志選手がトライ。
ボーク選手のコンバージョンキックは外れたが、19-5。まずは1トライを返した。
勢いに乗りそのまま連続攻撃を仕掛けたい日本。
しかし、2本、ペナルティから簡単にトライを許してしまう。
勝ちたい、勝たなければいけないという気持ちが見えるタックルもある。だがそれが裏目となりペナルティになってしまっては、厳しい。
試合の最後、キャプテンの松井選手が気持ちのこもったプレーを見せる。
キックオフボールに触れたボーク選手がボールの軌道を変えると、松井キャプテンがキャッチしそのまま駆け出す。
誰にも触らせず、ただ前だけを向いて60m超を走り切り、ボールを力強くグラウンディングさせた。
試合終了間際、気迫のトライを決める松井キャプテン
最終スコアは、36-12。
全く逆のゲーム展開にしたかった、日本。
この時点で、残念ながら準々決勝進出の望みは消えてしまった。
この試合戦ったカナダは、2016年のリオオリンピック以降、ワールドラグビーセブンズシリーズで優勝1回、銅メダル2回とコンスタントに勝つ経験を積み上げている。
一方の日本は、コアチームから落ちた年もあり、世界トップレベルの強度で戦う機会が減ってしまった。
世界最高峰の大会で優勝する経験と、戦い続ける経験と。
フィットネスにフィジカル、戦術に戦略。
トップレベルで戦い続けることの重要性を、改めて感じた一戦だった。
残されたオリンピックの舞台では、セブンズファミリー全員で積み重ねてきた準備の数々を、どうか見せて欲しい。
そして、勝利が、笑顔が見たい。
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