The Side of 大東文化
昨年と同じく、熊谷ラグビー場Bグラウンドで開幕戦を迎えた大東文化大。
悔しい敗戦の記憶も残るグラウンドで、2021年、大東フィフティーンは躍動した。
至る所で見られた献身的なプレー。
最たる例は、1年生No.8のリサラ・キシナ・フィナウ選手である。
何度もブレイクダウンに頭を入れ仲間を助けたかと思えば、アタックでは何人に絡まれても倒れず味方の到着を待った。
スクラムを組む前にはフォワード一人ひとりの肩を叩きながら話し掛け、トライの度に神に祈る。
圧倒的な強さと温かいハートに触れるには、充分な80分だった。
後半12分にはノーハーフのラックからフィナウ選手が持ち出したプレーが起点となりトライが生まれた
スクラムハーフとしてゲームをコントロールした稲葉聖馬選手は、オープニングトライを飾る。
その後もボールを持って数十メートルのゲインをみせるなど、プレイヤーオブザマッチに相応しい活躍をみせた。
「アウトに振ったらトライを取れる自信はあった。スクラムハーフとして試合の流れを見て判断出来た所が良かった」と振り返れば、御所実業高校時代もともにプレーした酒木キャプテンは「気が強いSHも多い中で、稲葉は真面目で静か。試合でやることをやってくれる、コミュニケーションの取りやすいハーフ」と評する。
目標は南アフリカのデクラーク。アタック、体を張れるプレーに憧れを抱く
接点に強く、幾度も捲った大東陣。
12番の戸野部謙選手は何度もタックルを決め、後半5分にはスライディングしながらのトライを見せた。
フルバックの青木拓己選手も「ハードワーク!ここ上げよう!ノーペナ!」と最後尾で声を枯らす。
7月末に新型コロナの感染者が出た影響で、3週間の活動停止。夏合宿も中止となった大東文化大学ラグビー部。
今日が、実に2か月以上ぶりの試合だった。
酒木凜平キャプテンは「実践によって得られるはずの自信がないこと、それが一番不安だった」と素直に口にした。
それでも、チーム全員が声を出してくれたから、今日は80分間安心してプレーが出来た。
「ディフェンスを頑張ってくれたことで雰囲気が良くなった。今日のような空気感を、これからの試合しんどい時でも作っていけるように、今日のようなプレーが出来るようにしたい。」
昨年はリーグ戦6位に沈んだ大東。
大学選手権出場を目指し、次節は昨季リーグ戦1位の東海大学に挑む。
酒木キャプテンはハーフタイム、スクラムコーチとともにレフリーの元を訪れスクラムの確認をした
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