最後までこの試合に責任を持ちたかった|2回戦 朝霞v熊谷【第101回全国高等学校ラグビーフットボール大会埼玉県予選】

ラグビーの季節がやってきた。

花園出場を目指し、青春をかけて戦う選手たちをレポートする。

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試合概要

【対戦カード】
埼玉県立朝霞高等学校v 埼玉県立熊谷高等学校

【日時】
2021年9月23日(木・祝)14:30キックオフ

試合結果

朝霞 0 – 85 熊谷
(前半 0-50、後半 0-35)

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試合展開 ~熊谷高校~

朝霞:青ジャージ、熊谷:黒ジャージ

試合が始まる前から、顔にもジャージにも泥が付いていた熊谷高校。

キックオフの笛が鳴るとすぐに、1本目のトライを奪った。

静かに、しっかりと、それでいてまとまっていて、強い。

スクラムは高校生の最大値である1.5mを優に押し切った。

だから相手ボールスクラムであってもターンオーバーし、そのままスクラムハーフがトライに持ち込んだこともある。

どれだけ点差が開こうとも、熊谷フィフティーンは手を抜くことなく全力で当たり続けた。

独走トライにフォワードが押し込んでのトライと、60分間で奪ったトライは計13。

零封で守り切り、危なげなく勝利を収めたものの、それでも横田典之監督は「決定力を上げていきたい」と話す。

それもそのはず。順調に勝ち進んだ先には、10度の花園出場を誇る深谷高校が準々決勝で待ち構えるからだ。

「(18年間率いた)深谷高校を離れて初めて、対戦します。ようやく機会が巡ってきた。深谷の山田監督も教え子ですからね、ワクワクしていますよ。(横田監督)」


昨シーズンに続きプレイスキッカーを務める五十嵐キャプテン

試合後の記念撮影時には仲間に「胸張れ!」と声を掛けた五十嵐大悟キャプテン。

「キャプテンに任命された時は、自分で良いのかなと思った。でも周りにリーダーみたいな人ばかりいるので、助けてもらっています。」

勝負の秋。

春はベスト4に届かなかった悔しさを胸に、仲間とともに悲願の花園初出場を目指す。

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最後のノーサイド ~朝霞高校~

初めて見た光景がある。

選手交代を、キャプテンが監督に申告した。


タックルに入るNo.8 新谷キャプテン

朝霞高校3年の新谷拓也キャプテンは、試合序盤に負傷し交代を余儀なくされた。

しかしベンチに戻った後は休むでもなく、タイミングを見て次々とベンチメンバーをピッチに送り出したのだ。

「このチームの運営は全て、任せてもらっている。我儘かなと思ったけど、最後までこの試合に責任を持ちたかったので、選手交代を任せてもらいました。」

普段の練習メニューから活動スケジュールまで、全てキャプテンが決めてきた。

だから最後まで、キャプテンとしての務めを果たしたかった。

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高校ラグビーには様々な形がある。

花園出場を目指すチームもあれば、全国優勝を目指すチームも。

そしてたとえ部員が1名であっても、合同チームとして他校とタッグを組み、大好きなラグビーをし続けるチームだってある。

この朝霞高校もまた、様々な試練を乗り越え今の形を作り出した。

試合後、新谷キャプテンは仲間に声を掛けた。

「終わりは予期せず突然訪れる。自分たちが望んだ形で終えることは出来ない。自らで限界を決めたら、望んだ形で終えられるかもしれない。だけど自分で限界を決める、ちっちゃい人間になってしまう。」

キャプテンとしての限界を決めなかったからこそ、仲間に伝わる想いがあるはずだ。

ラグビー部を引退後は、大学受験に勤しむ。大学でも、ラグビーを続けるために。

 

↓試合後のインタビュー動画はこちらから↓

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