2nd Half
前半と同様、後半の入りもオーストラリアが空気を支配する。
前半2分には3番のタニエラ・トゥポウ選手が、そしてその8分後にもまた6番のロブ・レオタ選手が、それぞれトライを決め日本を引き離す。
チームには、何人もの頼りになる選手たちがいる。
プレーが止まる度に組まれた小さな円陣は、観客席から聞こえる大きな手拍手によってどんどんタイトになり、その中で代わるがわる選手たちが言葉を発する。
坂手選手に田村選手、そしてクレイグ・ミラー選手。
ジャパンはリーダーの集まり、だということを再認識させられる。
試合時間残り28分で、2トライ2ゴール差。シンビンも重なり、重たい空気が会場に漂う。
このまま引き離されてしまうかもしれないーー
そう思い始めた時、空気を一変させたのは今や日本代表不動のセンターとなった12番・中村亮土選手だった。
オーストラリアのマネジメントプレーヤーであるクエード・クーパー選手が放ったボールを、ジャストタイミングでインターセプト。
そのまま難なくインゴールまでボールを運び、7点差。希望を与えた。
その後、田村選手がハーフウェイ付近からのロングショットを決めれば、その差を4点差まで縮める。
残り5分で、4点差。
あと1トライで、勝てる所まで持ってきた。
しかし、最後の1本を決めたのは、世界ランク3位のオーストラリア代表だった。
「モチベーション高く後半に入ったし、みんなが同じ姿を思い描いていたと思う。だけどチャンスを逃し、最終的にこの点差になってしまった。(ラブスカフニ キャプテン)」
試合を振り返れば、ペナルティに泣いたジャパン。
「チャレンジしたが故のペナルティもあった。行く部分、行かない部分の判断のディティールとスピード、コミュニケーションを上げていかないと感じた」と話すのは、不動の1番・稲垣啓太選手。
記者からの『いいゲームが出来た理由を教えて欲しい』という問いにも「負けたので、良いゲームではなかった。負けたことを受け止めている」と気持ちを口にする。
「反則数が14、これでは勝てない。最低一桁に抑えないと難しいと思う。シンプルな問題が故に負けている。もっと規律を刷り込んでいかないといけない。」
これからはじまる欧州での3連戦、日本はどう規律高く戦うだろうか。
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