The Side of 慶應義塾大学
試合前、原田衛キャプテンは仲間に伝えた。
「苦しい時は俺の背中を見てくれ。」
苦しい時に最前線で体を張る、大きな大きな背中がある。
前半、思いがけず大差が開いた。
前半立て続けにトライされたことで混乱した、と栗原監督は話す。
それでも立て直すことが出来たのは、早慶戦だからかもしれない。
「前半で点差がついてしまったので、アタックしかないという覚悟が生まれた。(原田キャプテン)」
振り切った、覚悟を得たタイガージャージは強かった。
2トライ2ゴール差に迫ると「ッシャー!慶應いくぞー!」と声が
原田キャプテンがスコアラーとなった3トライは、全てラインアウトモール。
自分たちの強みを理解しているからこそ、ペナルティを奪えば愚直にラインアウトからモールを組み続けた。
プレイスキッカーであり司令塔の中楠一期選手は、バックフリップパスにキックパスと会場を沸かせた。
試合終了間際に見せた、正確無比な鬼木選手へのキックパスには、どよめきがこだまする。
しっかりと7点差まで詰め、勝ち点1を獲得して試合を終えられた意味は大きい。
「試合の入り、ファーストトライを取られるまでは良い流れだった。ハーフタイムで自分たちの強みを再認識し、後半立て直してくれたこと誇りに思います。(栗原監督)」
最終節の相手は、これまで全勝の帝京大学。
昨年は1年生だった山田響選手がドラマチックな勝利を演出したが、今年はいかに。
「帝京大学戦は、勝ちにこだわっていきたい(菅涼介選手)」
対抗戦4位の座をキープするためにも、絶対に負けられない。