誇りを持って戦う。いざ、選抜へ。|徳島県代表・城東高等学校

徳島県代表、徳島県立城東高等学校。

充分数えきれる人数のラグビー部員は、メンバー表25名の欄が全て埋まることはない。

徳島県はラグビースクール文化。とはいっても、県内のスクールだって全部で3つ。うち2つに通っていた選手たちは、声を掛け合い城東高校に進学した。

県内随一の進学校。「みんな勉強を頑張ってくれました」と、浅尾至音(あさおしおん)キャプテンは言う。

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普段学校で練習する時は、一つのグラウンドを他の部活動と分け合って使用する。その広さは、ラグビーグラウンドの四分の一にも満たないスペース。

人数が少ないだけでなく、練習スペースも満足ではない。

しかし浅尾キャプテンはその状況だって前向きに捉える。「練習場が狭いからこそ、狭いエリアでのスキルが上がる。人数が少ないからこそ、細かい所まで指導してもらえます。」

与えられた環境で前向きにラグビーに打ち込む姿は、大人でも頭が下がる。

第23回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会に出場するため、城東高校ラグビー部が徳島県を出発したのは、3月19日の早朝。

朝一番の飛行機で発つと、正午前には熊谷ラグビー場にいた。

その日、熊谷ラグビー場で行われたリーグワン第10節・埼玉ワイルドナイツ対ブラックラムズ東京の試合を、みなで観戦したのだ。

ブラックラムズ東京の柳川大樹選手は、城東高校出身。伊達圭太監督とは高校・大学の同級生で、これは観戦するしかない、と少し早めに埼玉へやって来た。

普段は県外に行かないと見ることが出来ないリーグワンの試合。浅尾キャプテンは「勉強にしかならない80分間だった」と声を弾ませる。

「指を指して、しっかり相手をノミネートしていたんですよね。それに試合中ずっと声を出し続けていた。ホテルに帰ってみんなで試合を振り返りながら、自分たちにも出来ることはやろう、と話をしました。」

選抜開幕前、埼玉県内のとあるグラウンドで体を当てた相手は埼玉県立深谷高等学校ラグビー部。

それまで埼玉県内3つの学校と合同練習や練習試合をし、挙がった課題を最終調整するべく、ユニット練習と実践形式の練習を繰り返した。

普段は組めないスクラムも、深谷の重たいFWたちと組み合った。

バックスは、この日たまたま練習に訪れていた深谷高校OBの三友良平氏(昨年キヤノンイーグルスを退団・引退)からも指導を受ける。

この日の練習中、選手たちから何度も発せられたのは「指差しね!」「ゆびさしー!」の声。

相手をしっかりとノミネートするために手で相手を指差すこと、リードバック(復唱)し声を出し続けること。

リーグワンの試合を観戦し学んだことを早速取り入れながら、練習を続けた。

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今シーズンのチームスローガンは「PRIDE」。誇りを持って戦おう、と3年生たちで話し合って決めたものだ。

そして目指すは「花園2勝」。チーム初の年越しを目指し、日々出来ることを出来る場所で、出来る限りの方法でラグビーに打ち込む。

そのためにも、まずは選抜から。

1回戦は前回の花園準優勝校・國學院大學栃木高等学校と強敵だが、肩を貸してくれた選手たちに誓った。

「1回戦から全力で当たりたい。応援よろしくお願いします。」

 

選抜1回戦は、3月25日 14時30分から、熊谷スポーツ文化公園熊谷ラグビー場Cグラウンドにて無観客の下行われる

※試合はMBSの特設サイトにて全試合無料配信予定
https://www.mbs.jp/rugby/

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