アルカスユースのスローガンは『辿り着く』。
これから人生を歩んでいくための心構えを養う、そのための高校3年間。一つ一つの課題をクリアしながら、それらを積み重ねることで目標に到達する。
「辿る」ことで、目標に「到着」出来る。だから『辿り着く』。
国語科の教諭でもある菅原監督。言葉にもこだわった。
だからこそ、一度言ったことは繰り返さない。「同じことをやっていたら、積み重ならないじゃないですか。積み重ならないと、辿ることが出来ない。だから1回しか言いません。」
そういう問いを繰り返すことで、選手たちも考えるようになったという。
大会1日目が終わった時、菅原監督が話した言葉がある。
「自分が思っているよりも、生徒たちは成長しています。頼もしいです。」
初の全国で初の優勝を狙った2日目。
しかし、1日目にフィジカルバトルでファイトし続けたダメージは避けられなかった。元々福岡までやって来られたのは13名中僅か9名。厳しい選手事情の中挑んだ初の全国大会だった。
準決勝では、3月に対戦し勝利しているBrave Louveを相手に7-38と大敗。
続く3位決定戦は、独特の緊張感に初めての音楽付きの選手入場。そして対戦相手の男子部員による声援が、体感したことのないアウェーの環境を生み出した。
選手たちは奮闘したが、初日に破った佐賀工業を相手に7-17と競り負ける。
結果は4位。
それでも、プール戦を1位通過したこと、初出場で4位という輝かしい実績が失われることはない。
大会が終わると、菅原監督は選手たちに声を掛けた。
「君たちのことを誇りに思う。人数は関係ない、我々のやっていることが間違いではなかったということを証明してくれたのは君たち自身だ。本当にお疲れ様。」
そして、何よりも大切にしている言葉も忘れず付け加えた。
「応援してくれた全ての方々、協力してくれた保護者、スタッフへの感謝を絶対に忘れないこと。決して当たり前と思わないこと。そういう想いを持てない人間は、何をやらせても成功しない。
ただ、我々の目標は『ベスト4』ではなかったはず。明確に『優勝』を目指していたはず。現状に不満を言うのは簡単。人数だってすぐには増えない。これからだってこの人数、これより少ない人数で戦わないといけないかもしれない。だから俺たちは『もっとタフにならなければならない』」
ARUKAS YOUTH KUMAGAYAとして、辿り着くこと。
1人のラグビー選手として、辿り着くこと。
そしてなにより、1人の人間として、辿り着くこと。
そのためにARUKAS YOUTH KUMAGAYAは、これからもタフに挑み続ける。