Aブロック優勝は流経柏!「メモリアルな学年になった」<2日目試合レポート&試合記録>|R4年度 第70回関東高等学校ラグビーフットボール大会

Bブロック 3位決定戦

3位決勝戦:昌平 7-21 桐生第一

「初日の茗溪学園戦の前半は、自分たちの用意していたラグビーが出来たと思っています。でも後半、強豪校とのレベルの違いを感じました。それを踏まえ、今日は固く『最初から当てていこう』と話をしていたのですが、自分の最初のミスで雰囲気が悪くなってしまいました。」

そう話したのは、昌平のキャプテン・橋口博夢選手(1番)。1日目に続き、敵陣深くまで入ってもトライを取り切れずに自陣に帰るシーンが続いた試合を振り返った。

スクラムでペナルティを取られれば、ブレイクダウンでも笛を吹かれる。歯車がかみ合わない。自分たちのラグビーが、出来ない。

「自滅。こっちのミスです、全部。モールで進めていても、しっかりグラウンディング出来ない。モールを押せていても、勝手に抜けちゃう。バックスも入りながらモールを押しているのに、ストップワンスの状態(まだ押せる状態)でもバックスに出してしまう。人がいない、サポートがいない、ターンオーバー。全部こっちのミスです。」

攻めたけど攻めきることが出来ない、フィニッシュの絵を全員が同じように描けなかったゲームを、後藤慶悟監督はこのように総括した。

「勝手に抜け出しちゃうこともそう。あまりにも自分のプレーに責任を持っていないように感じたんです。もっと一つ一つのプレーに、厳しさ、やりきることを追求して欲しいと思います。」

だから後藤監督は珍しく、ハーフタイムに喝を入れた。グラウンド上の円陣の中で、大きなボディランゲージを交えながら選手たちに問いかける。

「お前らがキリイチに勝利をプレゼントしているだけだ。」

やり切ることが出来ていないから、トライに結びつかない。自分のプレーを遂行し続けることが出来ない甘さへの自覚を求めた。

後半が始まる前、7番・小山田ロマン選手、15番・井﨑克選手らを中心に選手たち自身でも大きな声を出し、気合いを入れた昌平フィフティーン。

ディフェンスラインのノミネートが曖昧になると、12番・平岡勝凱選手は「誰から!?」とコミュニケーションを要求。

それでも逆転することは出来なかった。

「僕なりに喝は入れたつもりなんですけど。まだまだ届かなかったですね。これが花園予選だったら、これでおしまい。関東大会で勉強出来てよかったな、と言えるように。これからもう一回、気持ちを入れ直して真摯にラグビーに向き合って、生徒たちと取り組み合っていきたいと思います。」

使い古された言葉ではあるが、まさしく「この経験を活かすしかない。」


(写真は1回戦より)

橋口キャプテンは言う。

「練習でも、先生たちに喝を入れられてから気合いが入ることがあった。そういう所が出てしまったのかな、と思います。チームを一から作り直していきたいです。他の人に言われてからではなく、自分たちから何でも出来るようなチームを作っていきたいと思います。」

初日の試合後、負傷した選手を両脇で抱え運んだのはキャプテンの橋口選手とバイスキャプテンの濱田匠選手(13番)。

チームの先頭に立つ2人が率先して体を動かせるチームには、強くなる土台があるはずだ。


「今年がラストイヤー。思いっきり戦って、お世話になった方々に恩返しが出来るように。今年から新しく監督というポジションで支えてくれている後藤監督、前監督の御代田先生にも感謝の気持ちを伝えるためにも、このままではダメ。もうひと踏ん張り、ふた踏ん張りと何回も頑張って、花園予選では全部ゼロ失点に抑えられるよう努力していきたい。(小山田ロマン選手)」

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***

何度もインゴールを背負いながら、昌平のアタックを止めきったのは桐生第一。

霜村誠一監督も「すごいですね」と選手たちを褒め讃えた。

「昨日の試合が不甲斐なく終わり、選手たちは昨晩ミーティングをしていたようです。自分たちが何をしなければならないか、ということを今日は実行出来たのだと思います。」

チームでやるべきことを認識して、徹底する。どのレベルのラグビーでも必要なことだからこそ、難しいこと。それを今日は、実践で表すことができた。

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その象徴が2つある。

ひとつは、前半最後にPGを狙った場面。入らなかった時のために、跳ね返りを意識してウイングの選手にポジショニングを指示していたのはFBの渡邉大樹選手、2年生。少し先の状況をいくつか想定し、身構えることが出来るプレイヤーだ。

もう一つは、9番・亀田翔蹴選手(3年生)の大きな声出し。

ハーフタイム、ベンチに戻ってきた時には「最高のDF出来てる!スクラムナイス!」

スクラム前には「勝て、ここ!」とFWに声を掛け、「きばれ、いける!」と仲間を盛り上げた。

霜村監督も「ずっと声出して、凄かったですね。いつもこんなんじゃないんですけど」と、成長を喜ぶ。

やはり、一つのきっかけがあれば、大きく変わることの出来る年代。一つ一つの試合、大会の重要性を理解する。

「まだまだ強豪校が相手となるとビビってしまうので。そういう所を改善していけるように、冬に向けて頑張っていきます。」

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Bブロック 試合記録


(写真は1回戦より)

決勝戦:茗渓学園 63-5 日川

試合詳細
前半 後半 得点 前半 後半
5 4 T 1 0
5 4 G 0 0
0 0 PT 0 0
0 0 PG 0 0
0 0 DG 0 0
35 28 小計 5 0
63 合計 5

■前半(キックオフ:日川)
1分:日川T ⑪ 、G× ⑩
3分:茗渓学園 T ⑪ 、G ⑩
12分:茗渓学園 T ⑭ 、G ⑩
16分:茗渓学園 T ② 、G ⑩
19分: 茗渓学園 T ⑬ 、G ⑩
24分: 茗渓学園 T ① 、G ⑩
■後半(キックオフ:茗渓学園)
1分:茗渓学園 T ② 、G ⑩
8分:茗渓学園 T ⑪ 、G ⑩
18分:茗渓学園 T ㉔ 、G ⑩
26分:茗渓学園 T ⑪ 、G ⑩

3位決勝戦:昌平 7-21 桐生第一

試合詳細
前半 後半 得点 前半 後半
0 1 T 1 0
0 0 G 1 0
0 0 PT 0 0
0 0 PG 0 1
0 0 DG 0 0
0 5 小計 7 3
5 合計 10

■前半(キックオフ:昌平)
19分:桐生第一T ⑪ 、G ⑩
25分:桐生第一PG× ⑩
■後半(キックオフ:桐生第一)
9分:昌平T ⑧ 、G× ⑬
22分:桐生第一PG ⑩


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1位・茗渓学園高等学校(茨城)

試合メンバー
1 北田 勇翔 ( 3 )
2 川村 航平 ( 2 )
3 佐野 颯 ( 3 )
4 森本 爽太 ( 3 )
5 梁取 駿太 ( 3 )
⑥ 山田 凜太 ( 3 )
7 山口 玲生樹 ( 3 )
8 小川 和真 ( 2 )
9 廣瀬 研太朗 ( 3 )
10 岡本 泰一 ( 2 )
11 森尾 大悟 ( 2 )
12 田村 優太郎 ( 2 )
13 網田 優作 ( 3 )
14 荒木 陵岳 ( 3 )
15 林 勇太 ( 2 )
16 林 寛太 ( 3 )
17 林 琢磨 ( 2 )
18 小杉 太郎 ( 2 )
19 池田 歩雅 ( 2 )
20 丸尾 泰輝 ( 3 )
21 松永 樹門 ( 3 )
22 川﨑 仁聖 ( 2 )
23 徳増 秀摩 ( 3 )
24 水澤 雄太 ( 3 )
25 石黒 春輝 ( 2 )
入替
後 0 分 ⑤ → ⑱
後 0 分 ⑦ → ㉑
後 0 分 ⑮ → ㉔
後 13 分 ⑧ → ⑳
後 18 分 ④ → ⑰
後 20 分 ② → ⑲
後 20 分 ③ → ⑯

2位・山梨県立日川高等学校(山梨)

試合メンバー
1 岸本 侑也 ( 3 )
2 窪田 竜馬 ( 3 )
3 古屋 葵衣 ( 3 )
4 今澤 郁海 ( 3 )
5 石原 秀康 ( 3 )
6 矢野 巧真 ( 2 )
7 松下 慎之介 ( 2 )
8 根津 太陽 ( 3 )
⑨ 飯沼 暖 ( 3 )
10 山根 壮太 ( 3 )
11 初鹿野 叶 ( 3 )
12 佐藤 瑛斗 ( 2 )
13 中村 瑛太 ( 3 )
14 渡辺 楓 ( 3 )
15 桑原 健 ( 3 )
16 名取 大和 ( 2 )
17 河西 駿大 ( 2 )
18 吉田 祐太 ( 3 )
19 北井 寛人 ( 1 )
20 三好 康陽 ( 1 )
21 初鹿野 樹 ( 1 )
22 堀内 未風 ( 1 )
23 岩崎 煌輝 ( 2 )
24 古屋 順聖 ( 1 )
25 青山 耕典 ( 1 )
入替
後 13 分 ⑫ → ⑲
後 15 分 ② → ⑯

3位・桐生第一高等学校(群馬)

試合メンバー
1 髙山 双 ( 3 )
2 昌子 厚介 ( 3 )
3 山田 羅斗 ( 3 )
4 前原 弘治 ( 3 )
5 中野 昊汰 ( 2 )
6 鶴淵 諒平 ( 3 )
⑦ 藤生 康太郎 ( 3 )
8 ナモア  ファタフェヒ ( 3 )
9 亀田 翔蹴 ( 3 )
10 鈴木 成昌 ( 3 )
11 廣 建進 ( 3 )
12 田代 天 ( 3 )
13 福澤 健世 ( 2 )
14 小林 洋輝 ( 2 )
15 渡邉 大樹 ( 2 )
16 鈴木 乎太郎 ( 3 )
17 田村 建人 ( 2 )
18 横山 賢進 ( 3 )
19 津野 吉充 ( 3 )
20 清水 大和 ( 2 )
21 田島 実 ( 2 )
22 兒玉 倫平 ( 3 )
23 牧野 兼昇 ( 1 )
24 清岡 煌志 ( 2 )
25 小畑 生樹 ( 3 )
入替
後 14 分 ⑬ → ㉓

4位・昌平高等学校(埼玉)

試合メンバー
① 橋口 博夢 ( 3 )
2 橋本 基 ( 2 )
3 植松 進之輔 ( 3 )
4 山内 滉太 ( 3 )
5 石坂 侑人 ( 3 )
6 増田 翼 ( 2 )
7 小山田  ロマン ( 3 )
8 西村 泰士 ( 3 )
9 長岡 太陽 ( 3 )
10 廣内 颯 ( 3 )
11 大森  幹太 ( 2 )
12 平岡 勝凱 ( 3 )
13 濱田 匠 ( 3 )
14 越野  圭祐 ( 3 )
15 井﨑 克 ( 3 )
16 岡本 優心 ( 2 )
17 千葉  峻大 ( 2 )
18 五月女 凌 ( 2 )
19 金内 碧唯 ( 3 )
20 内村 圭太 ( 2 )
21 白鳥 蓮 ( 1 )
22 宮原 里空 ( 2 )
23 伊藤 優悟 ( 1 )
24 横山 健人 ( 2 )
25 小林 利仁 ( 1 )
入替
入替 後 4 分 ⑨ → ㉑
入替 後 5 分 ① → ⑯
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