<Pick Up>群雄割拠のフッカー枠。それぞれのスタイルを目指す、3人のフッカー|第10回関東大学ラグビーオールスターゲーム2022 レポート

7月3日、秩父宮ラグビー場で行われた第10回関東大学ラグビーオールスターゲーム2022。

3年ぶりに開催されたスペシャルな選手たちの競演は、終始明るい雰囲気の中行われた。

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リーグ戦選抜×対抗戦選抜

リーグ戦選抜 38-42 対抗戦選抜

取って取られての乱打戦は、なんともオールスターゲームらしい。

たくさんの笑顔の中、それぞれの特徴を活かした攻撃が繰り広げられた。

先制トライはリーグ戦選抜。

ラインアウトで投入されたボールを9番・前川李蘭選手(日本大学)が受け取ると、パスダミーを交えてラインブレイク。10m進んだ先で対抗戦選抜のキャプテン・石田吉平選手(11番、明治大学)からドミネートタックルを受けるが、そのままボールを細かく繋ぎ最後は5番・アピサロメ・ボギドラウ選手(流通経済大学)がボールを地面につけた。

対抗戦選抜の反撃は、その8分後。

14番・高本とむ選手(帝京大学)が力強いボールキャリーで前進すると、ボールを託した先は高校時代のチームメイト・廣瀬雄也選手(12番、明治大学)。

そのまま縦に走りきれば、最後は9番・宮尾昌典選手(早稲田大学)と顔を見合わせながら笑顔でトライを決めた。

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会場には、各校のチームメイトも応援に駆け付ける。それぞれ工夫を凝らした方法で、仲間にエールを送る姿が見受けられた。

青山学院大学は「春」「樹」の文字が入った手作りうちわで、金澤春樹選手を応援。

明治大学は各選手の横断幕や応援ボードを作成していた。

「(応援グッズを)作ってくれていたことは知らなかった。選手たちがそれぞれ考えてやってくれたのかな、と思います。目についたし、すごく嬉しかったです」と話したのは、石田吉平選手(明治大学)。

3年ぶりのオールスターを、みなで楽しんだ。

試合は、絵にかくようなシーソーゲーム。最大点差は9点と、逆転に次ぐ逆転を見せる。

トライ数はともに6つずつ。勝敗を分けたのは、コンバージョンゴールの差だった。

プレイヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたのは、全てのゴールキックを成功させ対抗戦選抜を勝利に導いた10番・高本幹也選手(帝京大学)。安定したゲームメイクも光った。


リーグ戦選抜10番は東海大学の武藤ゆらぎ選手。「東海大学の好きな所は、仲が良い所。」スローガンに『鎖 -Chain-』を掲げている通り、学年問わず仲が良い。「留学生含め、明るい雰囲気のチームが好きです。試合でどれだけ苦しい状況になっても、明るさと横との繋がり(Chain)をもって秋は優勝を目指したいと思います。」

試合後は全員で記念撮影。

水間夢翔選手(171㎝、日本大学)はジュアン・ウーストハイゼン選手(211㎝、東洋大学)に飛び乗り、写真に納まった。

「試合に向けて準備をする段階で、水間選手とはたくさん話をしました。このオールスターでたくさんの新しい友達を作ることが出来たことも嬉しかった。このゲームの目的でもあり、ラグビーの良い所ですね。(ウーストハイゼン選手)」

普段はライバルとして相対する選手たちと、チームメイトとしてプレーする貴重な機会。

今まで通り、がまた一つラグビー界に戻ってきた。

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試合後コメント

リーグ戦選抜 木村季由監督(東海大学)

戦術よりも意識1つで変えられるシンプルなことにフォーカスを置いた。リーグ戦選抜が主導権を握った時間帯もあり、即席チームという中ではまとまってラグビーが出来たかなと思う。

昨日集まった時に「ライバルチームであることを2日間は忘れよう」と話をした。リーグ戦の良さを自分たちで分かっているはず。だからその良い所を出していこう、と声を掛けていた。

各学校からメンバーをセレクションして戦う機会が少ないコロナ禍、今大会が開催され、また毎年開催され続けることは意義深い。

リーグ戦選抜 伊藤峻祐キャプテン(東海大学)

選抜されたメンバーで、短い期間に仕上げ試合に臨むことが全くなかったこの数年。貴重な機会となった。

ゲームリーダーとして意識したことは、どれだけ喋ってコミュニケーションを取ることが出来るか。ひとつの仲間となることを心掛けた。

リーグ戦らしく、雰囲気の良い中昨日も練習が出来た。勢いに乗ったらどんどん試合を持っていける力がある。そういう時間帯も試合の中で作ることが出来た。

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対抗戦選抜 相馬朋和監督(帝京大学)

3年振りの開催。ご尽力いただきました皆様に心から感謝したい。

昨日から活動する中で、たくさんの笑顔が溢れていた。旧知の友に会って親交を深める姿、質の高いプレーを繰り返してくれる姿に、私も感動する2日間を過ごさせてもらった。

特に私がしたことはない。元々世代別の代表等で繋がりのある子たちが再会して、互いにあるものを出し合った。昨日も15分程喋ってグラウンドに出ただけなのに、初めて練習するチームとは思えないぐらいまとまっていた。必要な人が必要な時に一歩前に出て発言していたと思う。

対抗戦選抜 石田吉平キャプテン(明治大学)

2日間という短い時間だったが、相馬監督が「全力で楽しもう」「笑顔で楽しもう」と話してくださった。楽しい2日間だった。

目立ったプレーヤーが集まる中でコミュニケーション取れることも楽しかった。リーグ戦は大きい外国人選手も多く、大きな選手たちに立ち向かうチームメイトから元気をもらった。

何よりも、拮抗した試合を楽しみながら勝ち切れたことが一番嬉しかった。

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