10月2日(日)から始まった第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」ラグビーフットボール競技会。
10月5日(水)には少年男子の準決勝が計2試合行われ、決勝カードが決まった。
試合概要
「いちご一会とちぎ国体」第77回国民体育大会 ラグビーフットボール競技 少年男子準決勝
【日時】
2022年10月5日(水)
【場所】
佐野市運動公園 清酒開華スタジアム
試合詳細
福岡県(選抜)×栃木県(國學院栃木高)
大粒の雨降るあいにくのコンディション。
両チームともにハンドリングエラーが相次ぐが、先に流れを掴んだのは福岡県だった。
11番・上嶋友也選手が深くへ蹴り込んだキックに走りこんだのは15番・石原幹士選手。ボールに飛び込むと、13番・永井大成選手が作ったラックサイドをブレイクした8番・藤井達哉選手がボールを地面に押さえる。
前半5分、7点を先制した。
続くキックオフからもブレイクダウンで強さを発揮するは福岡県。
永井選手のタックルを起点とする相手ボールラックを一気に捲ってターンオーバー。
12番・西柊太郎選手がキックパスを蹴り上げ、FB石原選手、WTB上嶋選手と繋がり取り切った。
前半11分にもラインアウトからモールを組み、そのまま2番・田中健太選手が押し込んでトライ。
僅か7分間で怒涛の3連続トライ。主導権を握る。
一方の栃木県は、3つ目のトライを取られた後、自陣インゴールでこの試合初めて肩を組み気持ちを合わせた。
前半19分、10番・伊藤龍之介キャプテンが大きく蹴り上げたキックパスに追いついたのは、11番・島﨑聖弥選手。左隅にトライを決め、5点を返した。
21-5で前半を折り返す。
後半がスタートすると、得点機には迷わず3点の獲得にチャレンジした福岡県。
後半2分、距離のある場所から9番・高木城治選手がPGを沈めると24-5。まずは2トライ2ゴールでは追いつかれない点差まで広げた。
福岡県は相手ボールスクラムを押し込みターンオーバーしたり、No.8藤井選手がタックルに飛びかかってピンチを脱したりとチームディフェンスも光ったが、前半の終盤からペナルティが嵩む。
後半12分、6番・大川虎拓郎キャプテンが自陣深くでのハイタックルでイエローカードの判定を受け、人数が1人少ない状況に。しかしそこでの栃木県ボール5mラインアウトを凌ぐと、今度は逆に栃木県のハイタックルでエリアを挽回した。
シンビン中に外から試合を見ることで、見えた景色もあった。分からないプレーはレフリーに聞き、経験を活かす
対する栃木県は交代で投入した選手が僅か2分で負傷交代で退くなど、不運も重なった。
それでも後半21分、グラウンド中央部でのラインブレイクからまたしても11番・島﨑選手が大外で押し込みトライを奪う。
これで24-10、10点差。
すぐさまSO伊藤キャプテンがコンバージョンゴールを蹴り込み、踵を返した。
その後も栃木県は何度も猛攻を仕掛けたが、しかし福岡県の厚いディフェンスに阻まれ反撃叶わずノーサイド。
大会3位で、地元栃木県での国体を終えた。
試合後、悔しさを滲ませる選手たち。涙を見せる選手もいた
福岡県・松井裕平監督(福岡工業高校)
前半最初の入りで良い形が出せた。3連続トライが今日の全て。テーマを持って自分たちらしく戦っていく姿勢が出せた良いゲームだった。
(シンビンもあったが)苦しい場面はゲーム中に絶対訪れるから、と試合前に話していた。そういう時に何をしないといけないか選手たちが徹底してやってくれた結果。スコアは伸びなかったが、相手の流れになりそうな時に簡単に相手に点数を与えなかったことはマインドセットできていたからだと思う。今日はそれが全て。
(決勝戦では)コロナ禍でも国体が行われ、ラグビーができることに感謝し、一番にリスペクトの気持ちを持って挑みたい。福岡県のラグビーの良さを出し、最後まで応援されるチームを表現して、良い決勝戦にしたいと思う。
大川虎拓郎キャプテン
決勝戦では規律の部分でもっとレフリーに合わせていきながら、自分がコントロールしていきたいと思う。まずは反省をして、決勝戦では良いラグビーができるように頑張っていきたい。
シンビンは人生2度目。チームのみんなに迷惑をかけて申し訳なかった。
栃木県・吉岡肇監督(國學院栃木高校)
今日はなかなかトライを取れず、福岡県は巧くて強いプレーが多かった。
試合後、選手たちは悔しい表情をしていた。明日に繋がる良い表情。しかし指揮官としては収穫のある、今ある力を出し切れた地元での国体だったと思う。
1回戦では追い込まれたが、最後にモールを押し込んでくれたおかげで3試合できた。良い国体になりました。
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