しっかりと、夏に向けて。関東王者・桐蔭学園は「出来ていないことの方が多かった。でも、それさえ直せば」|第71回関東高等学校ラグビーフットボール大会

6月11日(日)に幕を閉じた第71回関東高等学校ラグビーフットボール大会。

Aブロック優勝を勝ち取ったのは、神奈川県1位・桐蔭学園だった。

今年は全国の舞台でも圧倒的な強さを見せ、選抜大会では王座を奪還していたが、この関東大会Aブロック決勝戦では國學院栃木を相手に14-7。今季最も点差の少ない一戦を演じた。

4年ぶりの関東チャンピオン。

「関東大会チャンピオンになったことのない代(藤原秀之監督)」という選手たちに、試合を終えても笑顔はなかった。

「自分たちのやることをはっきりできていなかった。昨日(の早稲田実業戦)もそうだったのですが、チームがバタついてしまった。スタンドオフ以外の人が考えていなかったんじゃないかな、と思います。」

そう話すは、8番・城央祐キャプテン。「なんとかギリギリ」という勝利に、表情を緩めることはなかった。

加えて、自らのプレーの質にも言及する。

「個人の問題ですが、僕が試合を崩してしまったと思っています。No.8としての役割、ハイパント処理やサポート面で自分の役目を全うできませんでした。」

ハイボールキャッチでは相手チームから「城!」とノミネートされ、ボールを持って走り出せば、目の前に多くのディフェンダーが並んだ。

國學院栃木のプレッシャーを人一番、主将として真正面から受けた。


「ラインアウトがクリーンに出なかった。バリエーションを増やしていかなければ厳しい」とFWとしても課題を見つける

試合後、藤原秀之監督は「前半はキック処理、後半は自滅。どう相手陣に行くかデザインされていない」と、ゲームメイクを問うた。

「チームとして戦えてない。良い反省になるんじゃないかな、と思います。自分たちの力量が足りない所もあったし、これじゃ戦えないな、という所もあったと思う。」

春の王者にしてもなお、歩みは一歩ずつであることを物語った。

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選抜大会までは、ひたすらシンプルに強さを磨いた桐蔭学園。

そして今、チームは新たなフェーズへと突入している。

「新人戦の頃は、とにかく縦に縦にとプレーしていました。だけど裏を織り交ぜながらプレーするようになった今、課題は意思疎通の所。コミュニケーション不足、やり切れていない部分があります。(城キャプテン)」

精度を高めていかなければいけない、と強く認識した。

シンプルに縦、であったから迷うことなく素直に強く在れた春。

季節は移り、初夏。引き出しを増やすことの難しさを痛感する。

「出来ていないことの方が多かった。でも逆を言えば、それさえ直せばどうにでもなるな、って。しっかりと夏に向けて、準備しようと思います。」

通らなければならない道であり、今がその時期。

キャプテンは、強く前を見据えた。

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