11:20/スタジアム
プールB
マハトマ ガンジーメモリアル スクール(フィジー)5-25 御所実業高等学校(奈良)
御所実業高校
ボールを持てば、必ず一歩でも前に出る心強いプレイヤーがいた。
4番・服部凰真選手。
この試合で最も『強い』が似合う選手だった。
「小さい頃からそれぐらいしかできなくて。僕は体力がないので、ボールを持った時ぐらいは前に出てゲインしよう、と思ってラグビーしています」と優しい笑顔を見せる。
ラグビーを始めたのは、小学4年生の時。
友人に誘われ、笹丘ラグビースクールで楕円球を握った。中学では筑紫丘ラグビースクールに進む。
そう、服部選手は福岡県出身。地元でプレーできることに「嬉しい。楽しいです」と喜びをみせる。
この日は、福岡県大野城市に住む祖父母も応援に駆け付け声援を送った。
小さい頃から毎週末のように泊まりに来ていたという初孫の活躍を、近くから笑顔で見守った。
大きなインパクトを残した服部選手のボールキャリー
福岡県内の高校には進学しなかった。
「フィールド内はもちろん、フィールド外でしっかり成長したいな、と思って」人間育成に力を入れる奈良県立御所実業高等学校行きを決断した。
そんな服部選手について、中谷部長は「強いです。フィジカルが強い」と讃える一方、「だからこそ、もっともっとチームを引っ張ってくれるような、鼓舞できるような選手になってほしい」と願う。
「チームの先頭に立てるような選手が増えることで、チームワークも良くなるし強くなるんです」
1人の選手として、だけではない。チームの一員としての成長を見据えた。
今季、部全体を統括するリーダーは、フッカーの小林淳弘選手。
試合後、輪を外れた小林リーダーは、1人涙を流した。
服部選手は、おもんぱかる。
「リーダーという役職に見合う実力がない、チームの役に立てていない、と思っているんだと思います。プレッシャーを抱えすぎて、いっぱいいっぱいになっちゃったのかな」
スタッフに連れられ、輪に加わった小林リーダー。服部選手は、そっと腰を抱いた。
「仲間なんで」
その表情は、あたたかかった。
仲間にSOSを求めることが、この年代にとっていかに難しいことであろうか。
いや、大人になればなるほど、余計にそのハードルは高さを増す。
助けてほしい、と素直に口にできるリーダー。
その姿を見た竹田監督も、続けた。
「みんなでリーダーにさせよう。みんなで補って、みんなで助け合おう」
服部選手は言う。
「同じFWのプレイヤーとして、スローイングに失敗したとしても次のプレーで補いたい。フィールド外では、小林リーダーの言葉を復唱すること、周りに伝えることでリーダーを支えたい」
人間形成。
その枠をさらに広げるのが、ここ宗像の地であろう。
11:20/フィールドB
プールB
チュンブク ハイスクール(韓国)0-89 桐蔭学園高等学校(神奈川)
12:40/フィールドB
プールC
ジェングオ ハイスクール(中華台北)3-49 石見智翠館高等学校(島根)
14:00/フィールドB
プールD
ジェスイット ハイスクール(アメリカ)0-80 國學院大學栃木高等学校(栃木)