4月28日に開幕した、サニックスワールドラグビーユース交流大会2024。
大会最終日となった5月5日には男子15人制の決勝戦が行われ、初優勝を狙った桐蔭学園は大阪桐蔭に15-17で敗れた。
出場12回。
準決勝進出4回目にして、初の決勝進出を果たした桐蔭学園。
安定したゲーム運びと平均値の高いプレー、そして国際試合用のスキルを身につけた前年度全国高校ラグビーチャンピオンチームは、順位決定トーナメントに入り、多くの選手が頭角を現した。
準決勝で覚醒したのは、バイスキャプテン古賀龍人選手。おそらく、試合最長のゲインメーターを稼いだのではないだろうか。
14番・草薙拓海選手は力強さを増し、エースポジションとして肝心なシーンでトライを取り切る。
フロントローもセットプレーが安定。ボールキャリーの確かさと細やかなハンドリングスキルを有することを表現した。
U17日本代表でもあるスクラムハーフの後藤快斗選手は、シーズンが始まった当初、控えに回ることもあった。
苦しかったシーズンスタート。それでも、ここ福岡の地で開花する。
「昨年までは良いスタンドオフがいたので、ゲームメイクを頼り切っていた部分がありました。でも今年は、僕たちの代のスタンドオフが怪我をしていて、まだ復帰できていません。スタンドオフに慣れていない竹山(史人選手、2年生)が10番をつけているので、自分がどうにかゲームメイクをできるようになってチームを引っ張っていかなければ、と意識が変わりました」
見事な準決勝の球捌きで、今大会海外勢最高位となったオーストラリアチームからの勝利に貢献した。
生まれは福岡県。育ったのは熊本県だが、中学時代は福岡県内のラグビースクールで楕円球を握った後藤選手。
今大会には、家族が総出で応援に駆け付ける。
曽祖母に祖父母、父母に従兄弟。
「家族の前で試合ができて本当に嬉しい」と笑顔を見せた。
決勝戦は一方で、残り半年への課題も多く手にしたが、伸びしろがまだまだ残されていることを知った。
No.8新里堅志選手は言う。
「これが自分たちの今の実力」
チャレンジした結果が、準優勝。まだ、足りない。
まずは夏合宿までにやること、そして花園までに準備することを明確にして、花園でリベンジをと誓う。
「大阪桐蔭さんを2冠にさせてしまいました。今日は日頃からやってきたことがミスで終わってしまい、スコアに繋がらなかった。自分たちの準備を一から見直したいと思います」
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12度目のチャレンジにして、初めて手にした有田焼のシルバーメダル。
11度の経験があったからこそ、この大会の「楽しみ方」を手に入れ、最後のホイッスルまで楽しむことができた。
12度目の悔しき、だけど一つの壁を超えた経験は、きたる未来の初優勝へと繋がっていくはずだ。
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