早稲田が立教から9トライを奪い初戦勝利。「4年生を荒ぶるで終わらせてあげることが役割」|関東大学ラグビー 対抗戦Aグループ

Pick Up ルーキーズ

大学ラグビーへとステップアップして半年。

春を越え、夏に飛躍し、対抗戦デビューを飾った1年生たちをピックアップする。

立教11番・村上有志

立教大学で唯一、スターティングメンバーに名を連ねたのは11番・村上有志選手(東福岡高校出身)。

試合前には少なからず恐怖心も抱えていたというが、しかし80分を戦い抜けば「手応えがありました」と大きく微笑んだ。

「調子良かったです!」

試合後の第一声には満足感がにじんでいた。

春季大会から先発を務め続けた経験が後押しした。

試合の度に「自信をもってプレーできるようになった」という積み重ねが、この日のパフォーマンスにも表れる。

陣地を大きく前に進めたランに、先輩バックス陣との連携。

日本代表を相手にもフィジカルで負けず前に出れば、ウイングとしての務めをしっかりと果たした。

もちろん課題は残る。

高校時代は長らくセンターポジションを務めていたため、キック処理が目下の修正事項。

それでも試合前に先輩たちから掛けてもらった「ミスを恐れず、どんどんチャレンジしてこい!」という励ましを胸に、思い切ってプレーすることができたと喜んだ。

「フレッシュマンとしてこれからも多くの挑戦を重ねて、目標とする史上初の大学選手権出場に向けて貢献していきたいです」

更なる活躍に、期待は高まる。

スポンサーリンク

早稲田14番・田中健想

日々の練習でコツコツと積み重ねた信頼がもたらした、開幕戦のアカクロジャージー。

「自分のために、そして4年生のために」とピッチに立ったのは、14番・田中健想選手(桐蔭学園高校出身)だった。

「課題が多く残る試合でした。でも、開幕戦に14番で出場できたことをとても嬉しく思います」

後半21分には、見事ウイングとしての務めを果たすトライも決めた。


「仲間が繋いでくれた『ごっつぁんトライ』でしたが、トライできたことはウイングとして嬉しいです」

田中選手は言う。

「4年生を荒ぶるで終わらせてあげることが役割」だと。

そのためにも「今日出た課題を次のゲームにつなげていきたい」と、チームへの強い思いを口にした。

スポンサーリンク

早稲田22番・服部亮太

後半33分にピッチに立ったのは、22番・服部亮太選手(佐賀工業高校出身)。

高校日本代表としてイタリアに遠征した3月末、U19イタリア代表との最終戦で左肩を痛め、春はリハビリに費やした。

実践復帰を果たしたのは、夏の菅平合宿中。最初はCチームからのスタートだったが、1ヶ月足らずでAチームまで駆け上がった。

「自信になった」と話すこの1ヵ月間。しかし決して簡単な道のりではなかった。

「いざAチームの練習に入った時に、全然アタックが上手くいかなくて。課題がむちゃくちゃ見つかりました」

先生役を買って出てくれたのは、先輩スタンドオフの野中健吾選手。

練習終わりの自主練からミーティングまで、手取り足取り指導を乞うた。

展開ラグビーを可能にするためにも、スクラムハーフとの間合いにFWとの間合い、相手との間合いが大切になる早稲田のスタンドオフ。

「高校ラグビーと大学ラグビーでは、スクラムハーフとスタンドオフの距離が全然違う」と、その難しさを語る。

出場時間僅かなデビュー戦。

しかしコンバージョンゴールを1つ沈め初得点を手にすると、キックパスから攻撃のチャンスも作り出し、また試合終了間際には特大50:22を決めるなど片鱗を示した。

ルーキーイヤー。

まず目指すは「早稲田ラグビーに必要なスタンドオフになること。そして、10番として定着すること」だ。

スポンサーリンク

2人の2年生フルバックは元チームメイト「相手の方が何枚も上手やった」

立教大学15番・大畑咲太選手と、早稲田大学15番・矢崎由高選手。

ともに大学2年生の2人は、高槻ラグビースクールでプレーした『元チームメイト』だ。

この日、何度も起こった2人のマッチアップ。

大畑選手が矢崎選手のランを止める場面もあれば、目線とボディコントロールとで矢崎選手が振り抜くシチュエーションも。

試合後、大畑選手は対戦を振り返って「(矢崎選手は)日本代表に入られているので、緊張もありました。やっぱり相手の方が何枚も上手やったというか。全然通用しなかったです」と率直な感想を口にした。

それでも何度か、大畑選手がディフェンスで止めたシーンはあった。

しかしそれは「通用した、というよりも『がんばった』という感じです。コンタクトの強さを感じたので、自分はまだ弱いと改めて思いました」と素直に紡ぐ。

一方で、仕掛けたキックカウンターには手応えも。

良きプレーもあったからこそ「来週の筑波戦では積極的に仕掛けて、チームに勢いをもたらしたい」と意気込んだ。

次節の相手・筑波大学には、兄・大畑亮太選手(筑波大学4年)が。

大学最後の兄弟対決を、笑顔で終えたい。

スポンサーリンク

監督・キャプテン コメント

立教大学

福田明久総監督

今日は第96回早稲田立教定期戦でもありました。

戦績は5勝89敗1分けと大敗している状況ですが、チャレンジャーとして一矢報いたいと思いました。

前半30分、後半最初の15分は立教らしい前に出る良いアタックができたと思います。そのあとに早稲田の底力というか守り切れなかった、最終的には1対1のディフェンスで抜かれてしまった結果、このようになりました。

ただ対抗戦初戦を終え、十分に戦えると実感しています。次節は筑波大学戦と厳しい戦いになりますが、ランニングチェンジしていこうと思います。今後とも応援、よろしくお願いいたします。

伊藤光希キャプテン

立教大学は、早稲田大学さんにアタックでもディフェンスでもチャレンジしようとテーマを掲げ練習を重ねてきました。

その中でチャレンジできた部分も多くあったのですが、早稲田大学さんの質の高いアタックとディフェンスを止めることができずに、相手のペースに飲まれてしまったことは反省点です。

シーズンは続いていくので、修正して、進化しながら戦っていきたいと思います。

スポンサーリンク

早稲田大学

大田尾竜彦監督

今日の試合に関しては動きが硬かった、全体的にエナジーが足りないという印象を持っています。

ポジティブなポイントとしては、後半リザーブで入った選手たちがモメンタムをもってプレーしてくれたことです。

試合内容については、ディフェンスでターンオーバーを連発していたので、そのボールをどう使うかという精度が重要になると思います。ここから成長していかないといけない、と感じています。

佐藤健次キャプテン

今日の試合は初戦ということもあり、コミュニケーションを意識しました。

前半などキーとなるプレーの所で、自分たちのミスが目立った試合となりました。それでも結果としてトライをされずに勝利できたことはポジティブに捉えていいのかなと思います。

もっと精度を高められる、成長できる部分があったので、来週の日本体育大学戦に向けて成長していきたいと思います。

スポンサーリンク