もう僕たちはワンチーム。オール東京、8年ぶりの決勝進出「コンバインドチームの価値を示そう」|第78回 国民スポーツ大会「SAGA2024」ラグビーフットボール競技 準決勝

第78回 国民スポーツ大会「SAGA2024」ラグビーフットボール競技の少年男子準決勝が10月9日(水)、SAGAサンライズパーク(ボールフィールド)で行われ、東京都代表が島根県代表と対戦。35-26で勝利し、決勝へ進出した。

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先制したのは島根県。

前半8分、島根県14番・久住誓蓮選手にグラウンド中央を抜かれると7点を許したが、その後はゴールラインディフェンスで粘り、耐え忍んだ東京都。

ディフェンスで流れを生み出すと、ついに前半24分、ゴール前スクラムから2番・笠井大志選手(國學院久我山)がトライを決めた。

5-7と2点差に迫る。

前半終了間際にはハーフウェー付近でペナルティを獲得すると、ペナルティゴールを選択。

「前半の終わり方を大事にしようと決めていた」と話したのは、東京都代表でバイスキャプテンを務める12番・齋藤航選手(國學院久我山)。

およそ50mの距離がありながらも、2年生のプレイスキッカー・中村理応選手(目黒学院、15番)に託すことにした。

「3点でもなんでもいいからスコアして終わりたかった」(齋藤選手)

各校のリーダー格が集まるコンバインドチームらしく、ゲームの流れを重要視した戦略に出ると、期待に応えた2年生。

「風もあったので、自信はありました」(中村選手)

落ち着いて右足を振り抜けば、ボールはHポールの間を通過。

3点を追加し、8-7。逆転に成功して前半を折り返した。

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勢いに乗った東京都は、後半も怒涛のスコアを重ねる。

2分、11番・園部心大選手(早稲田実業)のトライで幕を開けると、その5分後には相手ボールラインアウトをクリーンキャッチし、そのまま攻勢に転ずれば最後は14番・宮下隼選手(國學院久我山)が左サイドでトライ。

22-7とリードを広げる。


「これまでは縦に強く当たっていたが、今日はボールを横に動かそうとチャレンジしたことがスコアに繋がった。FWがセットプレーでプレッシャーを掛け続けてくれたおかげ」(齋藤選手)

その後は、敵陣でのペナルティで積極的にPGを選択した東京都。

後半12分、19分にそれぞれ3点を追加し、28-7。21点のリードを得れば、得点で圧力をかけた。


15番・中村選手「自分の持ち味であるキックでチームに貢献できて嬉しい」

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しかし島根県も黙ってはいない。

3トライ3ゴールを決めれば、同点ながらもトライ数差で逆転勝利が可能な点差に、底力を発揮した島根県。

後半22分からわずか8分間の間に3トライを決め、28-26と2点差に迫られた。

だが3つ目のトライが右端になったため、コンバージョンキックは難しい位置からの挑戦に。

全力でプレッシャーを掛けた東京都。

軌道を逸らした。

2点差で迎えた、ラストワンプレー。

最後のキックオフを東京都が蹴り上げると、島根県の懐に納まったボールをカウンターラック。

SH石岡温選手(國學院久我山)が持ち出し、最後はキャプテン・齋藤源輝選手(東京、No.8)に託せば、試合を決めるダメ押しトライを決めた。


「嬉しいです。ラグビー人生初の全国決勝ですが、ブラさず、ずっと練習してきたディフェンスで勝ちたい」(齋藤源輝キャプテン)

35-26。

東京都代表が、2016年の第71回いわて国体以来となる決勝進出を果たした。

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