コンセプトは『野武士軍団』
ーーコンセプトを聞かせてください。
「まさに『野武士軍団』です。加えて、それぞれの施設にテーマを設けました。熊谷ラグビー場のAグラウンドはまさしく戦う場、『戦場』です。普段の練習グラウンドは、戦いに出る前の『訓練の場』。誰でも泊まれる宿泊棟を『城』とし、その城を守るための『砦』がクラブハウス、と。砦であるクラブハウスは、戦場に向かうための最終準備をする場ですから。メイン玄関はAグラウンドを向く設計にしました。」
手前は全天候対応型の屋内運動場。ラインアウトも練習できるよう、8mの高さを確保した。(画像提供:埼玉県ラグビーフットボール協会)
ーー宿泊棟の概要を教えてください。
「春の高校選抜時には、宿泊拠点が群馬になる学校もあると聞きました。そういう学生のために、低価格で複数チームが泊まれるようカプセルタイプの部屋を180室用意しました。もちろん、国際レベルの試合にも対応できるようなツインルームを58部屋作ります。その他、監督やマネージャーの利用を想定したシングルルーム9部屋、あわせて客室としては247室ですね。
他にも多目的な利用が可能なホールは、アフターマッチファンクションから市民の方々の集会など幅広く対応するため、間仕切りを可動式にしています。大浴場は日帰り利用もできるように調整を進めているので、熊谷スポーツ文化公園を日頃から活用されている市民ランナーの方々にもぜひ利用して頂きたいですね。なんとサウナ、ジャグジー付きです。
それからラグビーファンには垂涎ものだと思うのが、1階のレストランです。窓際の席はグラウンドに向いており、グラウンドでの練習を見ながら食事ができます。」
ーーそれは素晴らしい!アスリートファーストでありながらも、ファンが気持ち良く過ごせる環境を作って頂けるのは有難いです。
「ありがとうございます。私たちとしても、グラウンドを中心にどうやって一体感を作るかが鍵でした。世界に誇れるラグビータウンでワイルドナイツが世界一になるためのハード面を、選手もファンも地域の方々もがWin-Winになるよう整えたかったんです。」
宿泊棟。バルコニー付きで、宿泊者は部屋からも練習を見ることができる。(画像提供:埼玉県ラグビーフットボール協会)