記憶に残る瞬間
大学選手権準決勝、ラスト5分の明治大学・箸本龍雅キャプテンの表情
後半36分過ぎ、敵陣深くでスクラムを組む直前。秩父宮ラグビーの大型スクリーンには、何度も何度も箸本キャプテンの表情がアップで映し出されました。
取材ノートには、こう記しています。
『スクリーンに映し出された箸本キャプテンの表情が、優しくて柔らかくて。時間を惜しみながら戦うかのような。そんな姿が映し出された。』
99%負けが確定した時間帯。紫紺をまとうのがこれが最後だと理解し始めた時間帯に、果たしてどれだけの人がこんな表情を出来ようか。
正直、今思い返しても涙が出てきます。
試合後、箸本キャプテンは言いました。
「4年間を振り返っていた。明治でグラウンドに立たせてもらって、自分を成長させてもらえた。明治大学に感謝という気持ちが強かった。応援してくださった皆さんに、そういう(泣いた)顔を見せたくなかった。最後まで自分らしさを貫くことを意識していました。」
このスピリットは、しかと後輩たちに受け継がれるはずです。