記憶に残る言葉
大学篇と同様、高校篇も2シーン紹介します。
まずは1つ目、全国U18女子セブンズから。
安井ノエル(京都成章高校)「チャンス掴みとった!」
創部3年目で悲願の初優勝を飾った京都成章高校。優勝キャプテンインタビューで語られたのは、自らで運を掴みに行く姿勢でした。
「隙のあるチームはそこを突かれると思ったので、私生活から変えていきました。ゴミが落ちていたら真っ先に拾って、『チャンス掴みとった!』って言いながら朝の散歩をしていました(笑)」
昨年の準決勝で敗れて以降、京都成章の面々は自分たちで生活を変えたと言います。
良いプレーをするためには体づくりから、ということで、ファストフードやお菓子・炭酸をこの1年一切口にせず。
運を掴み取るため、誰に言われずとも落ちているゴミを拾う。
高校生の女の子たちが自らを律することは、並大抵の気の持ちようではできないはずです。
それを、あくまでポジティブに実行する才能を持っている選手たち。
どこまでも明るく前向きな姿勢に、思わずハッとさせられた一言を選びました。
もう一つは、花園での敗戦後の一コマから。
鈴木梓太選手(山形中央高校)「ありがとう」
登録選手17人で花園に乗り込んだ山形中央高校に、大きな感動を与えてもらったラグビーファンも多いのではないでしょうか。
1回戦を完封勝ちした山形中央は、2回戦で東海大相模と対戦。体調不良者が出たため、2回戦のメンバー登録はなんと16人でした。
🏉ハイライト🏉
第100回 #全国高校ラグビー大会 2回戦#東海大相模(関東ブロック・神奈川) VS.#山形中央(山形)📱J SPORTSオンデマンドで全試合LIVE配信📺https://t.co/iOxCwfKKE1
🌸#花園 特集ページはこちら👇👇https://t.co/Kc1mN9Vpvh pic.twitter.com/6dMnNyP73s
— J SPORTS🏉ラグビー公式 (@jsports_rugby) December 30, 2020
第2グラウンドの記者席後方には練習グラウンドがあり、多少の待機スペースがあります。そこで試合終了後、山形中央の選手たちは涙を流しながら抱き合っていました。
後半6分に負傷退場した3年生の鈴木梓太選手(15番)は、止まらない涙を堪えることなく、全ての選手を順に抱擁していきます。掛けるのは、たった一言。
「ありがとう」
交代枠は、プロップの1年生選手しか残っていなかった。自分たちにできることを精一杯やりきった、山形中央。
涙を溢れさせながら掛け続けた「ありがとう」の言葉は、優しくて、とても美しかったです。
山形中央の試合自体は取材しなかった&rugbyですが、どうしてもこの舞台裏だけは伝えたく、最も記憶に残る言葉に選出しました。